テレワークを始めたらなぜか社内の雰囲気が悪くなった。
この問題で悩む経営者は少なくありません。
解決策は誰が何をしているか見える仕組みと
みんなが納得できる評価の仕組みを作る取り組みです。
制度を作るだけでなく日々の運用方法を具体的に決める必要があります。
なぜこの方法が効果的なのでしょうか。
社員の不満は働き方の違いそのものではなく
「あの人だけ楽をしている」という誤解から生まれるからです。
お互いの仕事が見えれば誤解は解消されます。
今回はテレワーク導入後に起きる社内対立の原因を明らかにし
明日から使える具体的な対策を3つ紹介します。
在宅組と出社組の対立が起きる本当の理由
テレワークを導入するとなぜ社内で対立が生まれるのでしょうか。
その答えは単純です。お互いの仕事が見えなくなるからです。
まず問題になるのが評価の不公平感です。
出社している人からすれば在宅の人が何をしているか分かりません。
逆に在宅の人は深夜まで自宅で仕事をしていてもそれが評価されないと感じています。
お互いに「自分だけが頑張っている」と思い込んでしまうのです。
次に仕事の押し付け合いが起きます。
来客対応や荷物の受け取りは当然ですが出社している人しかできません。
電話も出社組が取る場合が多くなります。
こうした細かい仕事が積み重なると「雑用係にされている」と出社組は感じ始めます。
さらに深刻なのは情報格差です。
出社組同士の立ち話で重要な事柄が決まり在宅組は後から聞かされる。
逆に在宅組だけのオンライン会議で方針が決まるケースもあります。
情報を持つ側と持たない側に分かれるとチームワークは崩壊します。
商社のA社で起きた事例です。
営業部は週4日在宅経理部は週5日出社という運用を始めました。
2か月後経理部の若手社員が突然退職しました。
理由を聞くと毎日30件以上の電話を取り
来客対応も1人で担当していたそうです。
営業部は売上が20%上がったと喜んでいましたが
その裏で経理部が限界まで追い込まれていました。
この会社では急いで電話当番制を導入し来客対応も輪番制にしました。
さらに電話を5件取るごとに500円の手当を支給するようにしました。
半年後経理部の残業時間は40%減少し退職者も出なくなりました。
不満を解消する3つの仕組みづくり
ではどうすれば社内の対立を防げるのでしょうか。
感情的な話し合いではなく仕組みで解決する方法を3つ紹介します。
1つ目は仕事の内容を全員で共有する仕組みです。
毎週金曜日の夕方に全員が今週やった仕事を3つと
来週やる予定を2つをメールかチャットで報告します。
長文は不要です。箇条書きで構いません。
大切なのは誰が何をしているかを全員が知る環境です。
2つ目は見えない仕事に報いる仕組みです。
- 電話対応
- 来客対応
- 荷物の受け取りなど
誰かがやらなければならない仕事をリストアップします。
そしてこれらの仕事を月何回やったか記録し
一定回数を超えたら手当を出すか代休を与えます。
ありがとうの言葉だけでは限界があります。
3つ目は決まった内容を必ず記録する仕組みです。
廊下での立ち話でも何か決まったら必ずメモを残し全員が見られる場所に保存します。
言った 言わないの争いほど不毛なものはありません。
決定事項は必ず文字にする。
これを徹底するだけで多くのトラブルを防げます。
設計事務所B社の事例です。
CAD担当者は在宅可能でしたが模型製作担当は出社が必須でした。
不満が高まったため全業務を洗い出しました。
その結果模型担当者は月60時間も
片付けや掃除をしていた事実が判明しました。
そこで片付け1時間につき1ポイント
10ポイントで半日休暇という制度を作りました。
同時にCAD担当者も週1回は出社して片付けを手伝うルールにしました。
さらに週次報告会を始め各自の仕事内容を5分で発表するようにしました。
3か月後不公平だという声はなくなりお互いを認め合う雰囲気が生まれました。
今日のまとめ
テレワークなど多様な働き方は正しく運用すれば会社の力を高めます。
しかし準備不足のまま導入すると社内の人間関係を壊してしまいます。
今回は対立が起きる原因を3つ指摘しました。
- 評価の不公平感
- 仕事の押し付け合い
- 情報格差
この3つです。
そしてこれらを解決する仕組みを提案しました。
- 仕事内容の共有
- 見えない仕事への報酬
- 決定事項の記録
大切なのは完璧な制度を作るところにあるのではありません。
問題が起きたらすぐに修正する柔軟さです。
社員の声を聞き少しずつ改善を重ねていけば必ず良い方向に向かいます。
テレワークは目的ではなく手段です。
本当の目的は社員が力を発揮できる環境づくりだと忘れないでください。
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*次回発行は12月24日水曜日の予定です。
次回は第37話(マーケティング)『顧客データ分析の基礎と実践経験則との組み合わせ』
次回もどうぞ宜しくお願いいたします。


