いつも付き合いのある顧客を大切にしているのになぜか利益が増えない。
そんな悩みを抱えていませんか。
長年の取引先だからと優遇していたら実は赤字の原因だったというケースは珍しくありません。
解決策は手持ちの売上データをきちんと整理して
数字が教えてくれる事実と現場で感じている実感を上手に組み合わせる仕組みづくりです。
データで全体像を把握し現場の知識で理由を探れば的確な判断ができるようになります。
なぜこの方法が有効かというと
数字には表れない顧客の事情や業界の慣習を現場の社員が知っているからです。
逆に日々の業務に追われていると気づかない変化をデータが教えてくれます。
今回は難しい分析ツールを使わずにできる顧客データの見方と
ベテラン社員の経験を活かす方法を解説します。
売上データから見える意外な真実
「あの会社は昔からの大口顧客だから大切にしないと」
こんな思い込みが実は会社の利益を圧迫しているケースがよくあります。
売上の金額だけを見ていると本当に儲かっている顧客を見逃してしまいます。
まず取り組むべきは過去2〜3年分の売上記録を顧客ごとに整理する作業です。
- 売上金額
- 利益率
- 訪問にかかった時間
- クレーム対応の回数などを表にまとめます。
この作業で大切なのは昔からの付き合いだからという感情を一旦横に置いて
純粋に数字を見る姿勢です。
よくある間違いは売上の大きい顧客ばかりに時間をかけて
実は利益率の高い中規模の顧客をないがしろにしてしまうパターンです。
データを整理すると売上の大きさと利益への貢献度が
必ずしも比例していない現実が見えてきます。
建材卸のA社は地元の大手建設会社B社との取引が売上の4割を占めていました。
社長も営業もB社なしでは経営が成り立たないと信じていました。
しかし経理部長が利益を計算したところB社の仕事は値引き要求が厳しく
特別な配送指定も多いため利益率はわずか3%でした。
一方地元の工務店10社との取引は
売上の3割でしたが利益率は15%もありました。
しかも支払いも早く無理な要求もありませんでした。
この事実を知った社長はB社への対応を見直し
工務店向けのサービスを充実させました。
1年後全体の売上は少し減りましたが利益は1.5倍に増えました。
現場の知識とデータを掛け合わせる
データだけで判断するとどの会社も同じような結論になってしまいます。
競合他社との違いを作るには現場で働く人たちの知識や経験が欠かせません。
ベテラン社員が「あの会社の担当者は春に異動することが多い」
「この業界は年度末に在庫整理をする」といった情報を持っています。
こうした知識はどんなデータベースにも載っていませんが売上予測や在庫管理に大いに役立ちます。
大切なのはこうした経験や勘を何となくで終わらせない取り組みです。
こんな時にはこうなるケースが多いという形で整理して
誰でも理解できるようにすれば会社全体の財産になります。
実践的な方法として月に一度データを見ながら
現場の意見を聞く会議を開くのがおすすめです。
数字の変化についてなぜそうなったと思うかを話し合い意見をメモに残していきます。
電子部品商社のC社では在庫管理に悩んでいました。
データ分析では適正在庫のはずなのに欠品が頻発していました。
そこで勤続20年の倉庫主任の意見を聞いてみると
「取引先のD工場は新製品開発の3ヶ月前から特定部品の発注が増える」
という経験則を持っていました。
また展示会の後は必ず追加注文が来るという知識もありました。
これらの情報を在庫管理のルールに組み込んだところ欠品率が25%改善しました。
同時に過剰在庫も3割減らせました。
データと経験を組み合わせた成果です。
今日のまとめ
顧客データの分析は特別な道具がなくても
今ある売上記録を整理するだけで始められます。
大切なのは売上の大きさだけでなく
利益や対応にかかる手間も含めて顧客の価値を見直す姿勢です。
データが示す事実を素直に受け入れながら現場の経験や知識で理由を探る。
この繰り返しが他社にはマネできない強みを作ります。
ベテラン社員の勘を整理して共有すれば会社全体のレベルが上がります。
まずは取引の多い顧客10社について
「売上」「利益」「対応時間」を表にしてみてください。
そこから見える違和感について現場の人と話し合ってみましょう。
小さな発見の積み重ねが大きな改善につながります。
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*次回発行は12月31日水曜日の予定です。
次回は第37話(人材の育成)『リモートワークにおけるチームマネジメントの課題』
次回もどうぞ宜しくお願いいたします。


