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ブログ / ビジネスモデルの企業事例

第515話 森ビルのビジネスモデル

2025年8月4日 執筆:渡邉ひとし

人口減少とデジタル化の進展異業種参入による競争激化に直面する中小企業経営者にとって既存のビジネスモデルが今後も通用するのかという不安は深刻です。

特に不動産業界ではオフィス需要の変化やインバウンド市場の変動ESG経営への対応など複合的な課題への対処が求められています。

今回は森ビルの動向を時系列で分析し都市開発企業がどのような戦略転換を図っているかを検証します。

中小企業も大企業も日本の市場に於いては同じ外部環境のもとで懸命に営業活動をしています。

大企業の課題や経営を観察することで自社に活かしてください。

今回も企業のビジネスモデルを取り上げその成功や失敗の要因や課題について深堀りしていきます。

今日の企業事例は第515話(画像はイメージです)ミッション、ビジョン、バリュー【経営理念】都市を創り、都市を育む【森ビルらしい都市づくり】「都市と自然の共生」「都市の脱炭素化」「資源循環型の都市づくり」【森ビルらしい街づくりの両輪】

  • ディベロップメント
  • タウンマネジメント

【3つのテーマ】「安全・安心」「環境・緑」「文化・芸術」会社の沿革1955年に創業者の森泰吉郎氏は<森ビル>の前身<森不動産>を設立しました。

1956年に<泰成>を設立しました。

(森トラスト・ホールディングス)1957年11月に『西新橋1森ビル』を完成させ貸ビル業者としてスタートしました。

その後竣工順に番号を付したナンバー・ビルを順次建設していきます。

1986年に赤坂アークヒルズ(アークヒルズ)が完成しました。

これより以後は大規模再開発による事業展開をスタートさせます。

  • 御殿山ヒルズ(御殿山トラストシティ)
  • 城山ヒルズ(城山ガーデン)
  • 愛宕山ヒルズ(愛宕グリーンヒルズ)
  • 元麻布ヒルズ
  • 六本木ヒルズ
  • 虎ノ門ヒルズ

1993年に創業者の森泰吉郎氏が死去後次男の森稔氏が<森ビル>を継ぎ三男の森章氏が<森ビル開発>(森トラスト)<森ビル観光>(森トラストの一部並び森トラスト・ホテルズ&リゾーツ)を継いだ。

1999年に森章氏が率いる企業群は<森ビル>グループから離脱を決め資本関係も無い別会社となった。

2018年6月にMORIBuildingDIGITALARTMUSEUMEPSON teamLab Borderlessをオープンしました。

2023年8月に麻布台ヒルズ森JPタワー・ガーデンプラザを竣工しました。

森ビル2024年2月に麻布台ヒルズに「森ビル デジタルアートミュージアムエプソン チームラボボーダレス」が開業しました。

既存ミュージアムが再開発に伴い閉館し移転需要が発生した現象が背景にあります。

五感に訴えかける演出で従来型展示施設との差別化を図りインバウンド需要の獲得を目指しています。

文化施設を街づくりの中核に据える戦略の一環として位置付けています。

2024年3月に六本木5丁目再開発規模が国内最大級の7,000億円になりました。

建設コストの増加により当初想定から事業費が膨らみました。

超高層ビルやMICE施設の整備を通じて都市の国際競争力向上と文化的発信力の強化を目指します。

世界都市間競争での優位性確保が重要な戦略目標となっています。

2024年3月に東京23区の商業地公示地価が平均7.0%上昇しました。

コロナ禍明けの行動制限撤廃により人流が回復したのが主な要因です。

立地条件の良い大型オフィスビル供給と質の高いオフィス環境提供を通じて企業の人材確保を支援する方針を打ち出しています。

2024年4月に虎ノ門ヒルズの大規模再開発が完了しました。

オフィス市場の競争激化に対応する必要性が高まったためです。

主要オフィス拠点として位置付けエリア間の回遊性強化を図っています。

法人向け交流機能の設置により企業間連携の強化も狙っています。

2024年4月に麻布台ヒルズマーケットが開業し食文化発信の拠点となりました市場の小売業態参入や高級すし店の新規開業により食文化発信が加速しました。

インバウンド需要を取り込み日本の食文化や専門店クオリティを日常的に実感させる方針です。

築地の仲卸業者を誘致する取り組みで本格的な食文化発信基地の構築を目指しています。

2024年8月にダイバーシティ対応の防災要員を240名配置しました。

東日本大震災の経験から多様化する災害リスクへの備えが必要になったためです。

社員の居住エリアを拠点近隣に設定し女性専用仮眠室や英語サポートなど多様なニーズに合わせたBCP体制を強化しています。

心理的安全性の向上と離職率低下など企業イメージの向上を狙っています。

2025年4月にスマートビルディング共創機構を設立しました。

スマートビル需要の拡大と統一技術規格の必要性が高まったためです。

IT企業や建設業界との連携で技術標準化と人材育成を目指しスマートシティ化を推進する方針です。

建設会社や不動産会社IT企業などが業界の垣根を越えて協力する体制を構築しています。

2025年5月に東京23区の大規模オフィスビル供給が7~9割を維持する見込みです。

建築費の高騰により供給が集中し厳選される状況となったためです。

都心5区での大規模再開発をリードし人材確保ニーズやオフィス回帰のトレンドに対応して希少価値のあるオフィス供給を推進しています。

2025年5月に健康影響評価の最上位の認証をオフィス・商業施設で取得しました。

多様な働き方と健康志向の高まりが背景にあります。

高機能フィルターや浄水設備を導入し心身の健康に配慮した職場環境を提供する取り組みでテナント満足度やリピート率向上と差別化を図っています。

今日のまとめ森ビルの一連の動きからは従来型の不動産開発にとどまらず都市の多様なニーズやイノベーションへの適応防災施策や職場環境の質的向上による競争力確保といった複合的かつ柔軟な経営戦略が浮き彫りになります。

しかし7,000億円規模の巨額投資と有利子負債の増大は財務リスクを高めており中小企業には参考になりにくい側面もありますがむしろ重要なのは変化する市場環境に対応するため自社の強みを活かしながら段階的にビジネスモデルを進化させる姿勢です。

今後も都市環境やオフィス市場の変動に即応し社会インフラとしての都市開発を主導する方針が特徴的です。

渡邉ひとし
渡邉 ひとし株式会社未来デザインカンパニー 代表取締役/持続型経営コンサルタント

経営戦略・組織変革・AI活用を、実務と心理の両面から支援しています。中小企業の経営者の方には、訪問またはオンラインで、ご相談をお受けしています(初回は無料)。

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