<ユニ・チャーム>のビジネスモデル小学校は2020年度中学校は2021年度高校では2022年度から『新学習指導要領』が全面実施されることはご存知ですか?
学習指導要領の改訂で注目されるのは『持続可能な社会の創り手の育成』が明記されたことです。
つまり『SDGsの担い手』を教育の現場から育成することが目指されるようになりました。
これからは子供や孫から「SDGsのこと知らないの?」と言われることになるかもしれません。
そして『SDGsの担い手』となった若者たちが次々と社会人として活躍し始めます。
いま大学の就活の現場では『SDGsと就活』というテーマで就職する企業の選定が始まっています。
「SDGsなんて綺麗事はこれまでの経験のようにいつの間にか消えて失くなるよ」見えていない『時代の進化』に取り残されないでくださいね。
ビジネスを展開していく視点を変えていく必要がありそうです。
中小企業も大企業も日本の市場に於いては同じ『外部環境』のもとで懸命に営業活動をしています。
大企業の課題や経営手法を観察することで自社の経営に活かしてください。
今日の企業事例は第455話<ユニチャーム>です。
(*写真はイメージです)建材の製造から衛生用品の大手メーカーへ1961年2月に創業者の高原慶一朗氏が建材を製造する<大成化工>を設立しました。
1963年に生理用ナプキンの製造を開始しました。
1974年9月に<ユニ・チャーム>を存続会社として<大成化工>を合併しました。
1981年にベビー用紙おむつの『ムーニー』を発売しました。
1986年にペット事業及び幼児教育事業に参入しました。
1992年にパンツタイプのベビー用紙おむつ『ムーニーマン』を発売しました。
1995年にパンツタイプの大人用紙おむつ『ライフリーリハビリ用パンツ』を発売。
2003年に不織布立体型使い切りマスク『超立体マスク』を発売しました。
2016年に<はごろもフーズ>と共同開発したパウチ入りキャットフードを発売しました。
2017年に『超快適マスク息ムレクリアタイプ』を発売しました。
<ユニ・チャーム>のビジネスモデル2020年3月に出社禁止を原則としながら引き継ぎなど必要な際は出社を認めることにしました。
工場やお客様相談センターを除く国内従業員の6割にあたる約2000人を在宅勤務としていますが顔を日々合わせていないために社員間で仕事内容の重複が懸念されこれを避けるため3月から週に1度テレビ会議で予定の共有を始めました。
さらに3月末は異動の時期となり書類の整理などは出社が必要のため出社を認めることにしました。
2020年4月にマスクの業界全体の月間供給量について秋以降に1億枚増やせると表明しました。
<ユニチャーム>の社長であり<日本衛生材料工業連合会>会長でもある高原豪久社長は現状の供給量は7億枚で3億枚不足しているとの見方を示しました。
2020年5月に発表した『2020年1~3月期』の連結決算は純利益が前期比51%増でした。
新型コロナウイルスの流行でマスクなど衛生用品の販売が好調で利益率の高い生理用品が新興国などで伸び不採算事業の縮小など構造改革を進めた効果も出ました。
2020年7月に出社の必要がある『コアタイム』を廃止したと発表しました。
午前7時から午後7時の間で7時間50分を所定労働時間とし従業員が自由に選べるようにしました。
原則週2日のリモートワークも継続し働き方の柔軟性を高める考えです。
2020年8月に羽田空港ターミナル内に『超快適マスク』の自動販売機が設置されました。
抗菌加工を施した専用自販機で閉店している深夜や早朝でもマスクを購入できるようになりました。
2020年9月に2021年からアジア向けにマスクの輸出を始めると表明しました。
新型コロナウイルスの感染拡大で品薄が続いていましたが国内供給量は月10億枚と不足感は薄れつつあるため『超快適』『超立体』といった高価格帯の家庭用不織布マスクをタイやインドなどに合計月2千万枚を輸出します。
2020年10月に使用済み紙おむつを回収する実証実験を東京都で始めると発表しました。
一般の廃棄物として処理されるためリサイクルは進んでおらず使用済み紙おむつを回収し素材を再利用する仕組み作りを進めます。
2020年11月にジェンダー平等を後押しする広告を表彰する日本経済新聞社の広告賞を受賞しました。
国内の全広告を対象にしたアンステレオタイプ広告賞に選ばれました。
性別役割分担の見直しや女性活躍を支援する目的でこの広告賞は2020年に創設されました。
2021年1月に医療用高機能マスク『N95』に参入し月100万枚で量産を開始すると表明しました。
新型コロナウイルス感染再拡大で『N95』マスク供給が追いついておらず医療現場で逼迫しているため参入します。
2021年2月にウエットティッシュの生産量を3月から2019年比で2倍に増やすと発表しました。
コロナ禍の衛生意識の高まりで需要が拡大し2020年の市場規模は前年比2倍超になりました。
特にアルコールを配合した製品の需要が大きく今後も設備改良などで増産を続ける考えです。
2021年2月に<サントリーホールディングス>と共同輸送を始めると発表しました。
重い飲料を運ぶ<サントリー>はこれまで積載重量が規定を超えないよう調整するためコンテナ内に空間が残っていました。
<ユニ・チャーム>が扱う軽量な紙おむつや生理用品を積むことでコンテナを効率的に活用できます。
2021年の二酸化炭素排出量は2020年実績の2%にあたる2トンの削減を見込んでいます。
2021年3月に『2022年4月』入社の新卒採用で人工知能を活用すると表明しました。
応募者による自己PR動画をAIが分析し対話能力などの評価を合否の参考にする考えです。
人工知能の評価を参考にすることで応募者一人の審査にかかる時間を2割ほど減らせると見ています。
2021年4月に口周りを大きな透明フィルムで覆った『顔がみえマスク』を販売しました。
新型コロナウイルス禍でマスク着用は定着したものの口の動きで相手の発言を読み取る聴覚障害者には大きな負担を強いることになります。
聴覚障害をもつ人事総務本部の杉本あゆみ氏は高原社長へ市販マスクに透明フィルムを張り合わせた自作のマスクを周囲に配っている状況を伝えました。
高原社長から指示を受けたグローバル開発本部は近隣のろうあ団体に月に一度は試作品を持って通い続けました。
具体的なアドバイスを受けるとともに試作品は40以上に及びました。
通常3年ほどかかる新製品開発の中で開発に要した時間は5カ月と異例の短さでした。
『顔がみえマスク』を販売すると用意した3000枚はわずか7時間で完売しました。
2021年5月にベビー用品の<ファーストアセント>への出資を発表しました。
<ファーストアセント>は乳児の泣き声から感情を分析する技術を持っており乳児一人ひとりにあったおむつ開発に生かす狙いです。
2021年7月にたんぱく質にこだわるペットフード『Physicalife』を発売しました。
飼い主が近年の健康志向から自分の食事や飲み物に気を使うようになりペットにも健康志向の意識が高くなっています。
「人間の健康ブームがペットにも波及している」と<ユニ・チャーム>の担当者は述べています。
今日の企業事例である<ユニ・チャーム>を少し俯瞰して見てみましょう。
1990年代後半から『本業多角化、専業国際化』をスローガンに事業の選択と集中で多くのものを失いながらも新たな経営資源を捻出しこれらを最大限に生かすべくグローバル展開に傾注することによって大きく事業規模を拡大してきました。
<ユニ・チャーム>の高原豪久社長はこの時期を『第二の創業』とするとこれからはwithコロナにおける環境変化を見据え事業構造をさらに変革させる『第三の創業』を起こすべき時期にあると考えていると言います。
そして従来のビジネスモデルである『パイプライン型事業』と『プラットフォーム型事業』を新たに兼ね備えたハイブリッド型企業へのチャレンジを考えているようです。
『パイプライン型事業』とは材料を仕入れ生産し運び販売し代金を回収するといった一連のバリューチェーンのプロセス内での自社とパートナー企業の協働を最適化することによって最大の価値を創造するというビジネスモデルを指しており『プラットフォーム型事業』とは製品やサービスの作り手と利用者を引き合わせるためのプラットフォームをセットして
その交流の場そのものが価値の創造と競争優位の源泉となるビジネスモデルを指しています。
前述した『顔がみえマスク』はハイブリッド型事業の一つである自社のネットショップ『ユニ・チャーム ダイレクトショップ』のみで買い求めることができます。
<ユニ・チャーム>は2021年2月10日に創業60周年を迎えています。
『創業の精神』と『イノベーション』何を守り何を変革していくのかがこれからの課題となります。


