経営戦略【ビジネスモデル】8月13日予定のメルマガはお盆休みとさせていただきましたが今号より毎週1回の発行から隔週金曜日のメルマガ発行に変更します。
引き続きメルマガを読んでいただけるよう日々精進して執筆に励みます。
「ボーっと生きてんじゃね~よ!」とチコちゃんに叱られることが無いよう常日頃より『現状維持は衰退』と言い続け自らも日常に流されることなく成長し続けることを心掛けてきました。
メルマガも週3回の発行から毎週金曜日の週1回の発行になり今後は隔週1回の発行と回数は減りますがメルマガ執筆に掛かる時間を新たな取り組みに振り分け地域貢献や社会貢献に取り組んで参ります。
中小企業も大企業も日本の市場に於いては同じ『外部環境』のもとで懸命に営業活動をしています。
大企業の課題や経営手法を観察することで自社の経営に活かしてください。
今日の企業事例は第453話<ヤマハ>です。
(*写真はイメージです)同業他社をM&Aし事業を多角化しました1889年に創業者の山葉寅楠氏が<山葉風琴製造所>を設立しました。
1891年に会社を解散し河合喜三郎氏と共同で<山葉楽器製造所>を設立しました。
1897年10月に<日本楽器製造>株式会社に改組しました。
1910年に<共益商社楽器店>を買収しました。
1921年8月に<西川楽器>を合併しました。
1935年に初の電気楽器となる『マグナオルガン』を製作しました。
1954年に実験的な音楽教室を開始しました。
1967年に全日本ライトミュージックコンテストの開催を始めました。
1968年11月に<天竜楽器>を吸収合併しました。
1970年5月に<日本管楽器>を吸収合併しました。
1955年7月に<ヤマハ発動機>を設立しました。
1964年に『鳥羽国際ホテル』をオープンしました。
1971年にIC工場を建設しLSIの開発製造を始めました。
1983年10月にMSX規格のパソコンを発売しました。
1987年に社名を<ヤマハ>へ変更しました。
2008年にオーストリアのピアノメーカーである<ベーゼンドルファー>を傘下にしました。
2009年にイギリスのピアノメーカーである<ケンブル>を完全子会社化しました。
<ヤマハ>のビジネスモデル2020年2月に音楽教室に著作権使用料を請求できるかの訴訟で<東京地裁>は判決を言い渡しました。
音楽教室の事業者に支払い義務があるとの一審・<東京地裁>の判決内容でした。
この訴訟の控訴審判決が2021年3月に<知財高裁>でありましたが生徒の演奏には著作権が及ばないとする一審判決を一部変更した判断を示しました。
2020年3月に電子楽器やギターを生産しているインドのチェンナイの工場の操業を停止しました。
新型コロナウイルスの感染が拡大するなか従業員の安全を確保するためです。
チェンナイ工場は2019年に本格稼働を始めたばかりの新工場で中間層の拡大するインドを中国に次ぐ成長市場に据えており現地の消費者向けに供給しています。
2020年4月にオンライン遠隔合奏サービス『SYNCROOM』を発表しました。
離れた場所にいても自宅などから複数人で合奏が楽しめるオンライン遠隔合奏サービスで一般的なインターネット電話や遠隔会議システムは通話や会議を前提に設計されており一定時間の音声遅れが生じます。
『SYNCROOM』ではインターネット回線を介したオーディオデータの双方向送受信を極力小さな遅れで実現する技術を使用することで遠隔地間でもほとんど違和感なく参加人数に制限はなく最大5カ所で使え快適に合奏を楽しめます。
2020年5月にスマートフォンを使った遠隔応援システムの実証実験を行ったと発表しました。
テレビ中継などでスポーツ観戦しながらスマホアプリで競技会場に声援を送る技術を開発していますが実験では会場で音量や聞こえ方などを確認しました。
2020年5月に発表した『2020年3月期』の連結決算は純利益が前期比14%減でした。
在宅勤務の広がりから電子楽器などは通信販売が伸びましたが店舗閉鎖や円高による輸出採算悪化などピアノや管楽器の落ち込みが大きくマイナス影響を吸収しきれませんでした。
2020年6月に自動演奏機能付きピアノをドイツの音楽大学の遠隔入学試験に提供しました。
自動演奏機能付きグランドピアノである『ディスクラビア』を2台使い受験生の日本でのピアノ演奏をドイツ<フライブルク音楽大学>のピアノでリアルタイムに高精度に再現しました。
2020年7月にゴルフ用品を販売する専門の電子商取引サイトを立ち上げました。
『ヤマハ ゴルフオンラインストア』はかばんや帽子、手袋など約60点を取り扱い消費者との接点を増やし販売増やブランドの認知向上につなげる狙いです。
2020年10月にスピーカーとアンプが一体になった自動車用の音響システムを開発しました。
車内は一般的な部屋と異なり音が複雑に反響しやすい構造ですが『車載向けヤマハブランドオーディオ』は車内どこに座っていても同じ音で音楽を楽しむことができます。
2020年11月にコンサート会場のライブ演奏の映像や音声を別の場所で再現する技術を開発しました。
『ディスタンス・ビューイング』は音響や映像、照明をデータ化して取り込み映像や音声を遅延なしで同時上映できます。
複数の会場で何度でも再現できる利点を生かし新型コロナウイルスで減収に苦しむライブハウスの支援につなげる考えです。
2021年2月に<JR東日本>は東北新幹線の車両を使いテレワーク向け車両の実証実験をしました。
<ヤマハ>が開発したスピーカーで会話の声を聞こえにくくする情報マスキング音を車内で流すなど通話やビデオ会議ができるテレワーク向け車両を開発しコロナ収束後も見据え移動中の仕事の需要などに向けた新サービスを検討します。
2021年2月に<ヤマハミュージックジャパン>と<福井県>は連携協定を結びました。
<福井県>が企画する体験会への楽器の無償貸与やアマチュア音楽サークルへの講師派遣を通じて音楽を活用したまちづくりに協力します。
2021年7月に浜松市のショッピングセンターに直営の音楽教室を開きました。
浜松市浜北区周辺にあった4つの教室を統合し『プレ葉ウォーク浜北』の2階に教室は11部屋を設け子どもだけでなく大人向けやピアノや電子オルガン、ギターなど多彩なレッスンを提供します。
2021年7月にエジプトの小学校で楽器教育を始めると表明しました。
エジプトでは日本式の教育が注目されており<国際協力機構(JICA)>と業務委託契約を結びました。
<国際協力機構>の事業の一環としてリコーダーなど楽器を使った音楽教育の普及を目指します。
授業は今秋から現地で始め2022年5月には生徒によるコンサートを開く予定です。
いままで市場を開拓できていなかったアフリカでも楽器の販売拡大につなげたい考えです。
2021年8月に発表した『2021年4~6月期』の連結決算は最終損益が134億円の黒字でした。
楽器販売はコロナ禍での店舗休業などで落ち込んでいましたが持ち直し休業中の買い控えの反動もでてピアノの販売が中国を中心に好調でアコースティックピアノや電子楽器ギターは一昨年の『2019年4~6月期』と比べても増収でした。
今日の企業事例である<ヤマハ>を少し俯瞰して見てみましょう。
2015年に<東京芸術大学>と取り組んできて共同開発したのは『だれでもピアノ』です。
指1本でメロディーを弾くと自動的に伴奏パートが演奏されます。
ショパンの『ノクターン』を弾きたい高校生がほぼ指1本しか動かせず車椅子のためペダルを踏めませんでした。
その問題解決のために<東京芸術大学>から開発を持ちかけられ自動演奏ピアノ『Disklavier』の演奏追従システムの技術を活用して『だれでもピアノ』を開発しました。
2021年上期の『日経MJ』ヒット商品番付で西の前頭8枚目に入ったのは<ヤマハ>の電子管楽器である「デジタルサックスYDS-150」です。
3年半ほど前に『静かなサックス』を作るという企画が持ち上がったのが始まりでトランペットのような金管楽器ならある程度は物理的に消音できますがサックスやクラリネットなどの木管楽器は構造上できません。
アコースティックとデジタルが融合した基本構造の設計に着手しアコースティックのサックスらしい生々しく時に荒々しい音作りにこだわりました。
テレビ中継などでスポーツを観戦しながらスマホアプリで競技会場に自分の声援を届けられる遠隔応援システムの開発はアプリへの広告やユーザー課金などで収益を得ることを想定しています。
主力の楽器事業でアコースティック楽器と電子楽器など売れ筋を多角化しつつ『体験型消費』などのビジネスモデルを構築し新たな収益源を育成することが将来の持続的な成長につなげるための課題となります。


