今日のテーマは『企業に不可欠なことは目的』です。
男性の育児休業の取得率が低い
厚生労働省の発表では「育児休業」の取得率が少しずつあがってきましたね。
2016年度の女性の育児休業取得率は81.8%で0.3ポイント増加(前年度)になり男性の育児休業取得率は3.16%で0.51ポイント増加です。
数字だけ見ると男性の「育休取得率」が圧倒的に少ないことがわかります。
そんな時代のなかで2ヶ月の「育児休業」を取得することを発表した男性ふたり。
それはフリマアプリの大手である<メルカリ>の小泉文明社長とその子会社である<ソウゾウ>の松本龍祐社長です。
<メルカリ>では2016年に産休・育休期間中の給与を会社が100%支払うなどの人事制度を導入していますが男性社員の約90%が「育児休業」を取得しているようです。
会社の継続に欠かせないこと
2013年に設立された<メルカリ>の利用者はたった4年のあいだにすでに7500万人になっています。
そのうち日本での利用者が5000万人でアメリカでの利用者が2500万人。
フリーマーケットアプリでは後発のスタートにもかかわらずトップの地位を築きあげるほどの急成長をしてきました。
アメリカでは株式上場前の評価額が10億ドル(注1)を超えるベンチャー企業のことを「ユニコーン(一角獣)」と呼ぶそうですが日本で「ユニコーン」と言われるのは<メルカリ>の1社だけです。
<メルカリ>の創業者は山田進太郎氏(40歳)ですが愛知県の<東海高校>の出身です。
中京圏で有名な<東海高校>は浄土宗の子弟教育のために設立された学校で
- 『生徒の自主性』を重んじる
- 『共生の心』を培う
という特徴のある校風を大切に受け継いでいて来年で130年を迎えるという歴史のある学校です。
さらに言えば『個性派』の人物が卒業生に多いことも有名です。
- 哲学者の梅原猛
- 建築家の黒川紀章
- ジャーナリストの木村太郎
- スタジオジブリの鈴木敏夫
- 高須クリニックの高須克弥
- 予備校教師でタレントの林修などなど。
私の親友も東海高校の出身ですが彼が紹介してくれた友人たちは『一家言(いっかげん)もつ』骨のある経営者たちばかりでまさに地元を支える有志が見事に揃っています。
やはり<東海高校>の『共生の心』からでしょうか?
<メルカリ>の社員にはストックオプション(注2)を与えているのです。
会社が成長すればそのストックオプションは莫大な資産になる可能性があります。
創業者山田氏の言葉を伝えると『会社で得た利益をみんなで分かち合いたい』しかし社員に採用されるためにはスキル(技術)だけでは無理です。
なぜならば<メルカリ>が大切にしているのは「ミッション」「バリュー」です。
そこに合致しない限り一緒に働くことができないのです。
これは創業者の山田進太郎氏が前の会社<ウノウ>での経営の失敗の体験から学んだと言っていますが「結果重視」「収益重視」の経営を進めていたときにボロボロと社員が辞めていくようなりました。
そこで「会社のミッション」を重視することに立ち戻るとそれからの経営がうまくいくようなったそうです。
『ミッション』とは<メルカリ>の経営の目的のこと。
「新たな価値を生みだす世界的なマーケットプレイスを創る」『バリュー』とは<メルカリ>の行動指針のこと。
- 『Go Bold(大胆にやろう)』
- 『All for One(全ては成功のために)
- 『Be professional(プロフェッショナルであれ)』という3つのバリューです。
創業からたった4年で創業者の山田氏から今年4月に社長を引き継いだ小泉文明氏。
小泉氏が<ミクシィ>から移籍しての初仕事が「ミッション」と「バリュー」をしっかりと作ることの提案でした。
小泉氏が移籍した当時に<メルカリ>の社員はまだ10人程度でしたが<ミクシィ>での体験からこの提案を強く押したそうです。
それは、<ミクシィ>のサービス力が強いときには社員の一体感や結束が強かったがサービス力が低下したときにバリューの意識が薄かったため会社そのものがグラつきはじめたという体験でした。
*注1=10億ドル日本円で換算すると約1000億円。
*注2=ストックオプション「株式購入権」あらかじめ決められた価格で所属する会社から自社株式を購入できる権利のこと。
このことから何を学べるでしょうか?
事業が継続できる企業には……しっかりとした企業の目的がある。
その企業の目的を『ミッション』という。
しっかりとした行動指針がある。
その行動指針を『バリュー』という。
「売上」と「利益」さえ出ていればいいという会社は「業績」が落ちはじめたときから会社自体がグラつきはじめる。


