『ソニーの株は当分、売れないね。』
『だって、……。』
大手証券会社の担当者と手持ちの株について相談をしていたときの会話です。
株をもつ趣味も株で資産運用もまったく考えたことはありませんが親から譲渡された株が手元にあるので本当は、早く現金に換えたいと思っています。
ところが大手電機メーカーの株が多いので放置せざるをえない状況が続いていました。
それにしてもバブル崩壊までの、日本の電機メーカーは「飛ぶ鳥を落とす勢い」でしたね。
なかでも、ソニーは、バブル崩壊後でも次々と、画期的な商品を発売していました。
- 1994年、家庭用ゲーム機の「プレイステーション」
- 1996年、パソコンの「VAIO(バイオ)」
- 1997年、平面ブラウン管テレビの「WEGA(ベガ)」
ところが、それ以降の商品があまりパッとしません。
(大学の授業でも、この事例を講義しています。)
そして、誰もが知っている……アメリカのアップルから発売された画期的な商品。
- 2001年、携帯音楽プレイヤーの「iPod」
- 2007年、スマートフォンの「iPhone」
- 2010年、タブレット端末の「iPad」
立て続けに、アメリカから上陸してきたこれらの画期的な商品に圧倒されそれまで日本の電機メーカーが競い合っていた
- カセットテープ
- CD
- MD
- DVD
- メモリースティック
などの、技術開発競争はあっという間に、鎮火してしまいました。
現在の、アップルの時価総額は、約91兆円。
ソニーの時価総額はというと、5.2兆円です。
軒並み(のきなみ)、日本の電機メーカーの株価は下がり続けてきました。
その状況から冒頭の、証券会社の担当者との会話になったのです。
- シャープが、台湾の鴻海精密工業の外資傘下にはいる
- 三洋電機の白物家電事業を中国のハイアールに売却
これらの状況をみると日本のエレクトロニクス産業は、もうダメなのか?
という思いにもなりますがここにきて、ソニーの株価が上昇しています。
業績が、徐々に回復基調になっています。
現在では1)ゲーム&ネットワークサービス2)フィナンシャル(金融)3)半導体(センサー)の3本柱が、ソニーの事業の主力になっています。
もう昔の「総合電機メーカー」と呼ぶには少し首をかしげるような事業内容ですね。
しかしソニー創業者である盛田昭夫氏の〔世界的視野で考え、地域にあわせた行動を。
〕という名言から考えてみると従来の「総合電機メーカー」から「事業の再構築」と「事業の再定義」をすることで現在の事業へと転換することはソニーにとって、不自然なことではありません。
アップルのスティーブ・ジョブス氏がソニーの創業者である、井深大氏と盛田昭夫氏から大きな影響を受けていたことは有名な話ですがソニーは、創業当時からアメリカの市場を考えており実際に、ニューヨーク証券取引所に上場しました。
多くのアメリカ人が「ソニーは、アメリカの会社だ!」と思っていたという逸話もあります。
もう一度、ソニーの原点に戻りアメリカ市場で売れる商品を開発することが業績回復の一手になるかもしれません。
このことから、わたしたちは何を学べるでしょうか?
わたしたち、2代目社長が学べることは……現在の事業を社会の変化や、時代の流れに合わせて見直す必要があります。
その場合「事業の再構築」と「事業の再定義」をすることで社会や時代にマッチングした事業に転換できます。
そして
- 今までのお客様に新たな商品を提供すること
- 今までの商品を買いたくなる新たな年代や、違う性別や、違う用途で使う新たなお客様を見つけること
たとえ今までと同じ事業でも、視点を変えてみることで新規のお客様を発見することも、できるようになります。
経営の本質、経営の王道。
経営に「近道」はありません。
経営の本質を見つめ、経営の王道を歩んで行きましょう!
そのためには、良き相談相手を見つけることが、もっとも重要です。


