未来会計志向型経営戦略【ビジネスモデル】未来会計志向型 経営戦略コンサルタント『事業継続計画(BCP)』への(Business Continuity Planning)取り組みを始めていますか?
企業が自然災害や大火災などの緊急事態に遭遇した場合において事業資産の損害を最小限にとどめつつ中核となる事業の継続または早期復旧を可能とするために平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法・手段などを取り決めておく計画のことになります。
静岡県熱海市の土石流の被害や平成30年7月の西日本豪雨など異常気象により全国各地で毎年のように豪雨や台風などでおきる浸水や高潮などの被害からどのように従業員や会社を守るか対策を検討しておく必要があります。
半導体メーカーの火災事故などで半導体不足になり自動車大手が減産に追い込まれたことをみてもサプライチェーンをどう守るかあらためて検証しておくことも事業継続に必要不可欠です。
中小企業も大企業も日本の市場に於いては同じ『外部環境』のもとで懸命に営業活動をしています。
大企業の課題や経営手法を観察することで自社の経営に活かしてください。
今日の企業事例は第449話<東京エレクトロン>です。
(*写真はイメージです)半導体製造装置などの開発・製造・販売1963年11月に<東京放送(TBS)>の出資により<東京エレクトロン研究所>を設立しました。
1978年10月に<東京エレクトロン研究所>の社名を<東京エレクトロン>に変更しました。
1989年に半導体製造装置メーカー売上高世界ランキング1位となりました。
1990年8月に<東京エレクトロンFE>を設立し液晶ディスプレイ製造装置に参入しました。
2006年に米国にベンチャーキャピタル会社を設立しました。
2009年に太陽光パネル製造装置事業に参入しました。
2011年に世界で最も持続可能な企業100社『Global 100』に選出されました。
2015年に『コーポレートガバナンスガイドライン』を制定しました。
2017年に『日本を動かす経営者ベスト100』<Forbes Japan>に選定されました。
2019年に『健康経営優良法人・ホワイト500』に認定されました。
<東京エレクトロン>のビジネスモデル2020年1月に発表した『2019年10~12月期』の単体出荷額は前年同期比6.2%増でした。
<日本半導体製造装置協会>が発表した2020年度の日本製の半導体製造装置の販売額は前年度見通比8%増としています。
次世代型通信規格『5G』の普及でメモリー需要の回復が想定以上に早いとの見方をしています。
「昨年はデータセンターなどに使うCPU(中央演算処理装置)が不足しデータを保存するメモリーの生産調整が起きたことで市場が減速した」「今はメモリーの在庫調整が進み5Gのスマートフォンや通信インフラの投資も追い風だ」「通信データ量の増加に伴い高性能で消費電力が低い半導体が増える」と<東京エレクトロン>の河合利樹社長は述べています。
『4G』と比べて通信速度が100倍となる『5G』を支える半導体は高性能品が欠かせません。
世界の半導体の市場規模4680億ドル(約51兆円)のうちスマートフォンを中心とした通信分野の用途は36%占めています。
2020年4月に発表した2019年の半導体製造装置の世界販売額は前年比7.4%減でした。
<国際半導体製造装置材料協会>は世界での販売額の減少は世界3位の市場である韓国向けの低迷が響いたとしています。
韓国市場は<サムスン電子>などがメモリー向けなどの投資を手控えました。
一方で世界首位の台湾市場は半導体受託生産で最大手の<台湾積体電路製造>向けなどが伸び前年比68%増でした。
2020年6月に『2021年3月期』の連結純利益は前期比11%増の見通しと発表しました。
『2021年3月期』の連結売上高は過去最高になる見通しです。
次世代通信規格『5G』や人工知能世界的なリモートワークの広がりによるサーバー向けの需要の増加を背景に取引先の半導体メモリー大手が設備投資を拡大するとの見込みです。
「コロナによって新しく生まれる市場がある」「顧客のニーズは年初よりも強くなりつつある」と<東京エレクトロン>の常石哲男会長は述べています。
2020年7月に発表した『2020年4~6月期』連結決算は純利益が前年同期比77%増と過去最高でした。
次世代通信規格『5G』の本格化やリモートワークの広がりによるサーバー向けの需要の増加で取引先の大手半導体メーカーが設備投資を拡大しました。
新型コロナウイルスの影響でオンラインでの経済活動が広がりデータ通信量が拡大して半導体需要が増えています。
中国のメモリー半導体も投資を積極的に増やしておりメモリー向け新規半導体装置の売上高は2倍の1131億円になりました。
サーバー向けの需要増に加えて『5G』や人工知能の本格的な普及が追い風となり演算処理に使われるロジック半導体向けの製造装置も需要が伸びています。
2020年12月に『2021年3月期』から3年間の研究開発費を4000億円以上に積み増すと表明しました。
「顧客からの要求や協業依頼が増えており新たな付加価値の開発や評価分析を一緒に行っている」「協業して初めて装置の受注につながるため成長投資だ」と<東京エレクトロン>の常石哲男会長は述べています。
2021年3月に<キヤノン>など3社と次世代半導体の開発で連携すると表明しました。
<東京エレクトロン><キヤノン><SCREENセミコンダクターソリューションズ>の3社が<産業技術総合研究所>と協力して後れを取った最先端の半導体の開発で巻き返しを図りたい考えです。
<経済産業省>も基金から約420億円を投じて研究開発を支援します。
2021年3月に山梨県に製造装置の新しい開発棟を建設すると発表しました。
半導体の電子回路を形成するためのガスケミカルエッチング装置や成膜装置などの製造装置や複数の製造工程をまたぐ技術などを開発します。
スマートフォンやデータセンターなどに使う最先端半導体の製造技術を開発する考えです。
2021年4月に世界の半導体不足の対応策について河合利樹社長が取材に答えました。
世界で半導体不足が深刻化しているが装置需要は増えているかという記者からの問い掛けに対し「半導体前工程製造装置市場は2021年に過去最大になる見込みで今後も増加していく」「将来の需要増に対応するため工場の生産能力の増強を進めてきた」「東北と山梨で新生産棟が完成しそれぞれの生産能力は従来比2倍と1・5倍になる」「9月には宮城県で『宮城技術革新センター』を稼働させ山梨県でも新開発棟を着工する」
「生産能力増強だけでなく最先端技術開発を並行して推進する」などと河合利樹社長兼最高経営責任者は半導体不足の対応策を述べました。
<東京エレクトロン>は製造装置から様々なデータを取得し工場の稼働率を高めるサービスに注力していく考えです。
今日の企業事例である<東京エレクトロン>を少し俯瞰して見てみましょう。
2021年5月に『2022年3月期』の連結純利益が3300億円の見通しと発表しました。
高速通信規格『5G』や人工知能向けの半導体需要が好調で半導体製造装置の販売がさらに伸びると見込んでいます。
装置販売以外にも納入済み装置の生産性を高める改造などを手がける『フィールドソリューション』というサービス事業が好調で連結全体に占める割合は30%までに高まりました。
顧客に納入した半導体製造装置の稼働状況を日本から把握しデータ分析を通じて安定稼働を支援するなどスマートグラスなどを使った遠隔サポートを研究開発にも生かす狙いです。
新型コロナウイルス禍で人の移動が制限されるなかでデータを駆使して保守や改造で稼ぐビジネスモデルを構築し収益の柱に育てる考えです。
世界的な半導体不足を受け半導体を効率的に生産するための改造需要が膨らんでいます。
今年に入り世界で影響が広がる電気自動車などクルマ向けの半導体不足の問題があります。
利益率の高いスマホ半導体向けの先端装置で手一杯のなか収益性が低いとされる車載半導体向けの旧型装置を増産すべきなのか。
半導体メーカーは車載向けの半導体の増産を求められ対応を急いでいます。
しかし車載用半導体は『2~3世代前』の技術を使って製造するため旧型の装置を使い装置メーカーが車載向けに生産能力を割り振っても相応の利益を得ることは難しいとされています。
売上総利益率が約40%と日本の製造業で屈指の稼ぐ力を持つ<東京エレクトロン>ですがさらなる利益率向上を目指すためにはデジタルトランスフォーメーションを本格化させることが必要不可欠です。
景気動向で大きく変わる半導体メーカーの新規投資ですが不況時の収益耐性を強める新たな事業と仕組みづくりが次なる課題となります。


