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ブログ / ビジネスモデルの企業事例

第408話 NEC(日本電気)のビジネスモデル

2020年9月11日 執筆:渡邉ひとし

新型コロナ感染拡大が表面化した2月以降の企業倒産件数が500件を超えなかでも飲食店の倒産件数が69件ともっとも多い業種となりました。

そんな中で外食大手の<コロワイド>による<大戸屋ホールディングス>に対するTOB(株式公開買い付け)の成立がいま話題になっています。

今年4月に<コロワイド>が提出した経営陣刷新を求める株主提案は<大戸屋ホールディングス>の6月の株主総会で否決されましたがTOBが成立したため<コロワイド>は臨時株主総会の開催を要求し<大戸屋ホールディングス>の取締役の過半を自社側で確保したい考えです。

しかし今回のTOBでは従業員有志が反対を表明しており多くの個人株主も反対しました。

両社の『2020年3月期』は最終赤字と厳しい業績です。

従業員や一般株主の協力が得られなければ相乗効果は生まれにくくなります。

中小企業も大企業も日本の市場に於いては同じ『外部環境』のもとで懸命に営業活動をしています。

大企業の課題や経営手法を観察することで自社の経営に活かしてください。

今日の企業事例は第408話<NEC(日本電気>です。

総合電機メーカーから『C&C』へ回帰1899年7月17日に米国の<ウェスタン・エレクトリック>と岩垂邦彦氏が出資して設立しました。

1943年に住友グループ傘下となり<日本電気>から<住友通信工業>と社名を変更しました。

1945年11月に社名を<日本電気>株式会社に復帰させました。

1954年にテレビ放送装置の国産化に成功して<中部日本放送>などから受注しました。

1958年にコンピュータの開発に取り組み始めました。

1966年に<日本板硝子>と世界最初期の自己収束型光ファイバーを開発しました。

1970年に日本初の人工衛星である『おおすみ』を製造し運用に成功しました。

1977年に『コンピュータと通信の融合』をうたい『C&C』のスローガンを提唱しました。

1982年に発売された『PC-9800シリーズ』がパソコンの『国民機』と呼ばれました。

1985年にスーパーコンピュータ『SX-2』が世界最速となりました。

1998年に不採算事業のリストラなどで『家電分野』から撤退しました。

2011年1月にパソコン事業を分社化し<レノボ>との合弁会社設立を発表しました。

2016年6月に<産業技術総合研究所>と共同で『産総研-NEC人工知能連携研究室』を設立しました。

<NEC(日本電気>のビジネスモデル2019年3月に人工知能の開発や活用を担う人材を育成する講座を4月に開くと発表しました。

主に社会人を対象とし実際の開発プロジェクトにも参加してもらう考えです。

IT(情報技術)の使い手の人工知能に対する理解を高めて市場を活性化する狙いです。

2019年3月に勤務のタイミングを柔軟に決められるように制度を変更すると発表しました。

介護や子育てなど従業員の置かれた状況に応じて様々な働き方を選べる体制を整えて人材の確保につなげる狙いです。

出勤時間を柔軟に決められる『フレックスタイム制度』を1989年に導入していますが必ず勤務するよう求めていた午前8時半から午後3時の『コアタイム』を10月1日から廃止します。

2019年4月に前期『2019年3月期』の連結純利益が前期比13%減と発表しました。

ITシステムの販売などが想定を上回ったほかM&Aに関連した資金調達費用も想定ほど掛からなかったため従来予想の46%減から上方修正しました。

2019年5月に人工知能を活用する『創薬事業』に本格参入すると発表しました。

患者のがん細胞を人工知能で調べ専用のワクチンを作るオーダーメード型の治療法をフランスのバイオ企業<トランスジーン>と共同開発します。

2019年6月に顔認証の新技術を開発したと発表しました。

マスクやサングラスなどを装着した場合でも事前に登録した画像データと照合し本人かどうかを高精度で識別できます。

2019年6月にスーパーコンピューターを2社から受注したと発表しました。

<高エネルギー加速器研究機構>は素粒子・原子核・宇宙分野のシミュレーション用に導入し<国立環境研究所>は地球温暖化によって地表付近の気温がどのように変化するかなどのシミュレーションに活用します。

2019年7月に社外評価を反映して若手研究者の報酬を決める制度を導入すると表明しました。

新卒でも学生時代に著名な学会での論文発表などの実績があれば1000万円を超える報酬を支給します。

世界との競争を勝ち抜くには優秀な人材の獲得が欠かせないとの<NEC>の新野隆社長の考えです。

2019年10月に『CEATEC2019』で空飛ぶクルマの試作機を展示しました。

幕張メッセで開幕した国内最大級の家電・IT 見本市で試作機を展示しましたが2023年頃から物流用途で空飛ぶクルマが使われると予想しています。

2019年12月に量子コンピューター事業推進室を2020年1月に設置すると発表しました。

量子コンピューターで解決できるビジネスの課題を顧客と検証しますが金融、創薬、物流といった領域を重点的に検討します。

2020年2月に<山梨県>と『ローカル5G』などの包括連携協定を結びました。

地域限定の高速通信規格『ローカル5G』や人工知能などの社会実装を実現することを目的としています。

2020年3月にデジタルサイネージの視聴時間を測定する実証実験を始めると表明しました。

5月中旬から<セブン・イレブン・ジャパン>の店舗で店内の電子看板に設置したカメラで来店客の視線を検知し年齢や性別ごとの効果を測定します。

2020年3月に人工知能を使って楽器を演奏できる技術を開発したと発表しました。

人工知能を使って人の姿勢や視線の動きを推定し体に障害があるなどの理由で楽器演奏が難しかった人でも音楽を楽しめるようにしました。

2020年4月に人工知能を使って新型コロナウイルスのワクチン開発に乗り出すと表明しました。

がんワクチンの開発で使っている独自の人工知能を活用して新型コロナウイルスの数千種類の遺伝子情報を解析しました。

患者の免疫機能を活性化させるのに役立つ遺伝子を複数特定し今後ウイルスの変異が起きても影響が出にくいとみられる遺伝子の組み合わせを選び出しました。

有効性や安全性を確認するための臨床試験(治験)やワクチンの製造を担う製薬会社を国内外から募り実用化に向けた共同開発を進めます。

2020年5月に『2020年3月期』(前期)の連結純利益が前期比2.5倍となったと発表しました。

国内でICT(情報通信技術)投資が堅調に推移し収益を押し上げました。

2020年6月に<NTT>と先端通信網の共同開発で資本・業務提携すると正式発表しました。

次世代通信規格『5G』ネットワークで通信回線を制御する基幹装置などの開発に共同で取り組みます。

2020年7月に生体認証や映像解析技術を活用する新たなオフィス作りの提案を発表しました。

顔認証による入退管理や混雑状況の可視化などデジタル技術を利用したサービスの提供でオフィス変革につなげる考えです。

2020年8月に海底ケーブルの敷設プロジェクトにシステムを供給する契約を結びました。

シンガポール、マレーシア、インドなどを結ぶプロジェクト『MIST』にケーブルの製造から敷設工事までを一括して供給する契約です。

2020年9月に<日本航空>とデジタル活用について協業したと発表しました。

和歌山県の南紀白浜空港などで取り組んでいる実証実験に<日本航空>が参画して複数の試験サービスを展開するほか新たに羽田空港で顔認証決済による買い物の実証実験などに取り組みます。

あらかじめ今回の実証サービスに登録した搭乗客が売店で買い物をするとき顔認証のみで支払いが完了します。

今日の企業事例である<NEC(日本電気>をすこし俯瞰して見てみましょう。

2020年7月に新型コロナウイルス感染拡大を防止するシステムを販売すると発表しました。

得意とする顔認証の技術に映像から混雑度を分析する技術と非接触で体表面の温度を測定するサーマルカメラを組み合わせ学校、企業、商業施設など多くの人が訪れる施設での感染拡大を防止するシステムを8月末から提供しています。

2020年6月にはメガバンクと連携して本人確認のシステムを稼働させました。

他業種で迅速な本人確認ができるように<三菱UFJ銀行><三井住友銀行><みずほ銀行>などと連携し各行が持つ顧客情報を提供する共通システムを稼働させなりすましなどを防ぐ本人確認サービスの基盤としてシステムの拡大を見込んでいます。

2020年4月には豪州で『スマートシティー』の開発プロジェクトに参画しました。

ニューサウスウェールズ州で計画予定の次世代都市に情報通信技術(ICT)の分野での幅広い協業を目指しています。

2020年7月にはハワイの主要5空港に感染症対策サービスを提供しました。

各空港にカメラを設置し体温が高い人物をスムーズに検知します。

さらに12月末までには顔認証技術を組み合わせた人物の特定も始めます。

マスクをしたままでも顔検出や体温測定が可能でプライバシー保護のため検知した人物画像は30分以内に消去する仕組みです。

<NEC>は世界で有数の海底ケーブルや世界トップの顔認証技術や宇宙開発機器などの成長分野で高い技術力を持っています。

今までは国内向け中心の事業でしたがコロナ禍の影響もありグローバル展開に取り組んでいます。

これからグローバル展開が本格化すれば『成長企業』へと変わる期待が高まっていくと考えます。

渡邉ひとし
渡邉 ひとし株式会社未来デザインカンパニー 代表取締役/持続型経営コンサルタント

経営戦略・組織変革・AI活用を、実務と心理の両面から支援しています。中小企業の経営者の方には、訪問またはオンラインで、ご相談をお受けしています(初回は無料)。

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