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ブログ / ビジネスモデルの企業事例

第335話 東洋紡のビジネスモデル

2019年3月29日 執筆:渡邉ひとし

第334話のテーマは『ニーズの変化に対応した業態転換』です。

(ブログは火曜・金曜の投稿です)

紡績業界の名門として成長

1879年に山辺丈夫氏が渋沢栄一氏などの財界人の援助で紡績事業計画を策定。

1882年に日本初の本格的な紡績会社である<大阪紡績>を設立しました。

1886年に<三重紡績>を設立しました。

1888年に<金巾製織>を設立しました。

1906年に<金巾製織>と<大阪紡績>を合併しました。

1914年に<大阪紡績>と<三重紡績>を合併して<東洋紡績>を設立しました。

1927年にレーヨン事業に進出しました。

2010年3月に<東洋化成工業>を合併しました。

2012年に創立130周年を迎え<東洋紡>に社名を変更しました。

<東洋紡>のビジネスモデル

2017年4月から本社支社の4拠点は先行して1日の勤務時間を短縮しました。

所定労働時間を毎日15分短縮するという働き方改革により従来の午前9時~午後6時から午前8時45分~午後5時半に就業時間を変更しました。

2017年10月にイタリアの高級ブランド「グッチ」のマルコ・ビッザーリCEOはロンドンで開かれた講演会で毛皮を来年から使用しないと宣言しました。

代替品として注目されるのが人工毛皮(フェイクファー)です。

<東洋紡>は子会社がアクリル繊維の生産を手がけていて軽く染色しやすいなどの特徴で普及価格帯のフェイクファーが強みです。

2017年11月に滋賀県大津市の事業所内に保育施設を設置すると発表しました。

待機児童が増加するなか女性従業員の育児休職からの早期復帰や出産環境の整備を進める考えです。

同じく2017年11月に「2018年3月期」の連結純利益が前期比2倍の見込みと発表しました。

大阪本社ビルの売却益を特別利益として計上するため連結純利益が増える見込みです。

2017年12月にスマートフォンなどで使われる電子部品向けのフィルムを生産する工場棟を福井県にある敦賀事業所に新設すると発表しました。

工業用フィルムの生産増強に力を入れていて増加する需要に対応し販売拡大を目指します。

同じく2017年12月にアメリカの<デュポン>から環境への負荷が小さい生分解性樹脂の生産を受託したと発表しました。

<デュポン>の生分解性樹脂「APEXA」は従来製品に比べて耐熱性や耐久性に優れているためスポーツ衣料などに使われていますが今後は<東洋紡>が全てを生産します。

2018年1月に<東北大学>や<ユニオンツール>と共同で妊婦用スマート衣料の開発を発表しました。

導電性の素材を使用し妊婦は着るだけで心拍数などを計測できます。

<東北大学>で産後うつの研究に活用して早期発見や発症の予測につなげる狙いです。

2018年2月に愛知県の犬山工場で液晶用フィルムを増産すると発表しました。

<東洋紡>が生産する液晶用フィルムはポリエステル製で耐久性があり光の屈折による色むらが発生しないのが特徴です。

液晶ディスプレーの大型化に伴い需要度が高くなっています。

2018年3月に「2022年3月期」の連結営業利益を今期予想比20%増に引き上げる計画です。

液晶用フィルムやエアバッグ用の生地などの事業で利益を伸ばします。

新規事業の有機EL用のフィルムや医療機器にも力を入れることを楢原誠慈社長が取材に方針を示しました。

2018年8月に神経の再生を促す医療器具を9月から米国で販売すると発表しました。

2020年には日米以外の地域にも進出する計画があります。

日本の繊維市場の縮小などを受けヘルスケア事業を強化しており神経再生器具の販路拡大を急いでいます。

2018年11月に福井県の敦賀事業所の稼働を一部再開すると発表しました。

9月に発生した火災の影響で操業を休止していましたが消防服向け繊維の生産ラインを動かします。

自動車エアバッグ向けナイロン糸の設備はほぼ全焼しており再開の見通しは立っていません。

2018年12月にグループ会社のドイツにある<PHPファイバーズ>がエアバッグ用生地大手のドイツにある<UTT>を買収すると発表しました。

<UTT>はエアバッグ用生地で15%の世界シェアを持っていますがエアバッグの搭載を義務づける動きが新興国で広がっています。

2019年2月に「2019年3月期」の連結最終損益が損得が同じになる予想と発表しました。

敦賀事業所で発生した火災の影響で120億円の特別損失を計上しますが液晶テレビ向けフィルムなどが好調で売上高は前期比3%増と予想しています。

今後<東洋紡>は「有機EL向けフィルム」や「骨を再生させる誘導材」の新規事業を2023年3月期以降の収益源に育てる考えですが「機能材」や「バイオ・メディカル」以外の成長の柱を育てることが新たな課題と言えます。

*次回のブログは4月2日火曜日です新著「ビジネスモデル虎の巻!」

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今日の事例で何を学べるでしょうか?

繊維部門の事業で伸びた企業は……時代や社会の変化に合わせて「化成品」や「機能材」などの繊維部門以外の事業を新たな成長の柱として育てることが事業継続のカギになる。

渡邉ひとし
渡邉 ひとし株式会社未来デザインカンパニー 代表取締役/持続型経営コンサルタント

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