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ブログ / ビジネスモデルの企業事例

第328話 三菱商事のビジネスモデル

2019年2月8日 執筆:渡邉ひとし

第328話のテーマは『市況変動の影響を受けにくい』です。

(ブログは月曜・金曜の投稿です)

その歴史は商船ビジネスから始まった

日本で初めての「株式会社」といわれる坂本龍馬氏の<海援隊>が岩崎弥太郎氏に受け継がれて1870年に<九十九商会>が設立されました。

1873年に<三菱商会>と社名を変更しました。

1875年に国有会社である<日本国郵便蒸気船会社>の経営が岩崎弥太郎氏に任され<郵便汽船三菱会社>へと社名を変更しました。

1885年に岩崎弥太郎氏の死去に伴い弟の岩崎弥之助氏が後を継ぎ<郵便汽船三菱会社>と<共同運輸会社>が合併して<日本郵船会社>が設立されました。

1893年に<三菱社>は<三菱合資>へと改組し岩崎弥太郎氏の長男・久弥氏が3代目社長に就任しました。

総務・銀行・営業・炭坑・鉱山・地所の各部を設置して事業を拡大させました。

1918年に<三菱合資>の営業部は総合商社である<三菱商事>として独立しました。

<三菱商事>のビジネスモデル

2017年8月に「IoT」を活用した農業支援に進出すると表明しました。

大型のドローンを操縦して農薬の自動散布の支援サービスを農家や自治体向けに提供します。

世界規模での人口増加を背景に食料の需要は中長期で伸びると考え取引強化に動いています。

2017年9月に工場や倉庫などの所有から利用への転換を促すサービスを始めると表明しました。

企業が工場や倉庫といった事業に使う資産を保有せずに必要に応じて賃借する仕組みになります。

2017年10月にヨーロッパで電気自動車を組み合わせた電力供給システムの実用化への進出を表明。

充電も放電もできる充放電ステーションに電気自動車をつなぎ電気が足りないときは電気自動車の電池から電気を送電網に送ります。

同じく2017年10月に米国<デジタルリアリティトラスト>と共同で2022年までに国内に約10カ所のデータセンターの新設を表明しました。

自動運転などのサービスが本格化すると飛躍的にデータの受送信が伸びることを考えネットを活用した新サービスを目指します。

2017年11月にフィリピンのマニラを南北に走る高架鉄道の車両120両を受注しました。

フィリピンでは初めての鉄道車両の受注になります。

2017年12月に農業関連のITベンチャーである<ベジタリ>に出資しました。

<ベジタリア>が進める農業の情報産業化を国内外で支援していきます。

肥料や農薬、農業機械といった農業資材や青果物の流通などの既存事業と連携しながら農業関連ビジネスを拡大する狙いです。

2018年2月に<三菱自動車>に株式公開買い付けを実施して保有比率を20%に高めると発表しました。

<三菱商事>の垣内威彦社長は……「自動車産業から出てくるニュービジネスはたくさんある」と述べ新分野を開拓するきっかけにしたい考えです。

2018年3月にイギリスとオランダで大型の洋上風力発電所に参画すると発表しました。

洋上風力の発送電の知見を積むことで将来のアジアや日本への展開を狙います。

2018年5月に発表した「2018年3月期」の連結純利益は前期比27%増で過去最高益を更新しました。

原料炭の価格上昇で採算が向上して東南アジアでの自動車販売の増加も過去最高益の更新に貢献しました。

同じく2018年5月にフィリピンで分譲住宅事業に本格参入することを表明しました。

海外の住宅開発は単発計画が多いのですが経済成長で中間層が増えているため継続的な海外の住宅開発に取り組みます。

2018年6月にペルーの銅山権益を追加取得して今年中にも開発を始めると表明しました。

銅は電気自動車などの原材料として需要の拡大が見込めるため再投資することを決めました。

2018年8月に液化天然ガスをアジアの新興国に供給する事業に乗り出すことを表明しました。

これから需要が高まるアジア新興国に拠点を築いて液化天然ガス事業をさらに強化します。

2018年9月にアフリカで電気が通っていない非電化地域を解消する事業を始めると表明しました。

モバイル決済による先払いにするなどのITの進展で事業化にめどがつきました。

2018年11月に<東洋ゴム工業>に追加出資して筆頭株主になることを発表しました。

タイヤなどの自動車分野に経営資源を集中していく考えです。

2019年2月に発表した「2018年4~12月期」の連結決算は純利益が前同比6%増でした。

東南アジア向けの自動車や化学品鉄鋼向け石炭が伸びるなど同期間としての最高益を更新しました。

このような好業績の実績にも関わらず株価は上場来高値の80%と市場の評価は高まっていません。

この10年間程度は非資源分野中心の「事業系」と呼ぶセグメントへ経営資源を集めてきました。

事業系の利益比率は今期に約70%に達して資源と非資源の分類を始めた「2011年3月期」の約30%から大きく増えています。

しかし依然として「資源系」の価格低落への懸念があり資源に依存する商社体質への疑念が払拭されていないようです。

市場への信頼が回復さるような中長期的な成長戦略が求められています。

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今日の事例で何を学べるでしょうか?

金属などの資源系で市況変動の影響を受けやすい企業は……これまでに作り上げた事業以外に市況変動の影響を受けにくい機械事業や生活産業などの事業系の比率を高めていくことで収益の安定を図る必要がある。

渡邉ひとし
渡邉 ひとし株式会社未来デザインカンパニー 代表取締役/持続型経営コンサルタント

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