第301話のテーマは『企業買収で求められる相乗効果』です。
国内における保険会社の再編と企業買収
2001年1月に<東京海上火災保険>は<日動火災海上保険><朝日生命保険>と「ミレア保険グループ」を結成しました。
2001年3月に<共栄火災>が「ミレア保険グループ」に参加しました。
2002年2月に<朝日生命保険>は経営統合の白紙撤回を発表しました。
2002年4月に<東京海上火災保険>と<日動火災海上保険>は<ミレアホールディングス>の傘下に入り経営統合しました。
2002年8月に<共栄火災>は「ミレア保険グループ」から離脱しました。
2003年1月に<朝日生命保険>は「ミレア保険グループ」から離脱しました。
2003年10月に<東京海上あんしん生命>と<日動生命>が合併して<東京海上日動あんしん生命>に商号を変更しました。
2004年10月に<東京海上>と<日動火災>が合併して<東京海上日動火災保険>に商号を変更しました。
2008年7月に<ミレアホールディングス>から<東京海上ホールディングス株式会社>に商号を変更しました。
2009年6月に<東京海上ホールディングス>と<NTTファイナンス>の共同出資による損害保険会社である<イーデザイン損害保険>が営業を開始しました。
2011年12月に<デルファイ・フィナンシャル・グループ>を2000億円程度で買収しました。
2015年に<HCCインシュアランス・HD>を9000億円程度で買収しました。
2017年5月より<東京海上日動火災保険>はドローンの実証実験向けに保険の販売を始めました。
ドローンを使った宅配などの実験中に事故を起こした場合の原因調査費用やサイバー攻撃による改修費用や事故を起こした場合の会見費用なども補償します。
企業の研究開発を支援してドローンの活用拡大を後押しする狙いです。
2017年5月に発表した<東京海上ホールディングス(HD)>の前期の連結純利益は前期比8%増でした。
買収した<HCCインシュアランスHD>が連結対象になり収益を押し上げました。
<東京海上・HD>はインド民間損保4位の<イフコトキオ>への出資比率を外資による出資上限の49%まで引き上げ経営への関与を強めます。
インドの損保市場は2兆円超までに拡大して年率10%以上の成長が見込まれる有望市場のためインドへの先行投資によりアジア市場での基盤を強化していく考えです。
2017年7月にベンチャー企業の<SOUCO>と組んで空き倉庫を活用したシェアビジネスでの損害を補償するサービスを始めました。
物流会社などが持つ倉庫で余ったスペースを他の企業に貸し出すシェアリングビジネスを<SOUCO>が始めましたが短期間だけ貨物を保管したいという企業のニーズにあった保険を提供することで安心して保管できる環境を整える考えです。
同じく2017年7月にミャンマーの保険大手である<グランドガーディアン保険>と業務提携。
現地の有力保険会社と手を組むことで保険料を決める指針の改定や販売の認可などの現地での規制情報を素早く得る狙いです。
2017年10月から<東京海上日動火災保険>は社外での勤務を認める「テレワーク」制度を1万7000人の全社員に拡大しました。
制度の利用に事由を問わず所属長の許可を得れば利用できます。
自宅での在宅勤務のほかにも新幹線など移動中の交通機関や顧客先や代理店の事務所内で働くモバイルワークも可能になります。
2017年9月にクレジットカードの不正利用による電子商取引事業者の損失を補償する保険商品を投入すると発表しました。
EC事業者の会計情報や不正対策を管理するアメリカの<ストライプ>と連携して簡単な手続きでも新しい保険を利用できる仕組みを構築します。
2017年10月に<東京海上日動火災保険>は<福邦銀行>と福井県内の企業支援に関する連携協定を結びました。
38カ国に拠点を持つ<東京海上>のネットワークを活用して企業の海外展開におけるリスク対策や現地企業についての情報を提供します。
同じく2017年10月にアメリカの保険大手である<AIG>の医療・傷害保険事業を買収しました。
従業員向けの医療保険を自家保険で運営している企業や団体に対して支払い上限額を超えた場合に補償します。
2018年5月に<東京海上・HD>は2018~20年度の「中期経営計画」を発表しました。
2020年度に2017年度比で20%増の純利益を目指します。
最新のデジタル技術を生かした商品開発や海外のM&Aなどを進めることで国内外の収益基盤を強化する考えです。
全体の利益に占める海外の割合は40%超になる見込みです。
2018年6月にオーストラリアの損保大手である<IAG>から株式を取得してタイの損保会社である<セーフティー・インシュアランス>などを買収することを決めました。
これにより保険料収入で東南アジアで2位に浮上する見込みです。
<東京海上・HD>の永野毅社長は……「今後はアジア新興国で事業を拡大する」という方針でアジア強化を表明しています。
アジア市場で期待していることは人口の増加による生命保険や自動車保険へのニーズの高まりであり日本で今までに培ってきた保険や事故対応サービスの展開をアジア市場で目指しています。
2018年9月に<ホラード・ホールディングス>と<ホラード・インターナショナル>のアフリカの保険大手である2社と増資を引き受けて株式を取得するため最終調整の段階に入りました。
アフリカ54カ国のうち50カ国に保険販売網を拡大できる見込みです。
爆発的な人口増で需要拡大が見込めるアフリカ市場で大型出資に踏み切りました。
企業買収の目的は……日本国内の人口減少化による減収を海外での収益でカバーする以外に会社の人材や会社の持つ専門性を手に入れることでもあります。
お互いの企業文化や制度の違いを超えてどこまで融合できるかが<東京海上・HD>の今後の課題です。


