第298話のテーマは『市場の変化への対応の遅れ』です。
急激に成長した輝かしい歴史
創業者の田中良和氏が個人的な趣味として「GREE」を開発してサービスを提供したのがスタート。
その年の2004年12月に「GREE」の運営会社である<グリー>を設立しました。
<グリー>の社名は……「知り合いから知り合いへ人の繋がりを辿っていくと6回の繋がりで世界の全ての人に行き着くことができる」「Six Degrees of Separations」というスタンレー・ミルグラムによる仮説でその言葉の中の『Degrees』の「gree」から名付けられたといいます。
2007年3月に「GREE」の利用者が100万人を突破。
2008年5月に「GREE」の利用者が500万人を突破。
2009年4月に「GREE」の利用者が1000万人を突破。
2010年6月にモバイルでの「GREEアプリ」を開始して8月にiPhoneでの利用にも対応しました。
2017年2月にファッション動画マガジン「MINE BY 3M」などの<3ミニッツ>を買収しました。
これから動画メディアや実店舗とECサイトの連携などを模索していきます。
<グリー>の田中良和会長兼社長は「ソーシャル•ネットワーキング•サービスも文字が減って画像ばかりになった」と述べ<3ミニッツ>が手がける3分程度の短い動画が最も気軽なコミュニケーションツールになると予想しキャスティングから制作や配信までを垂直統合で取り組んでいて動画を作る広告主への提案力が高いことから<グリー>のネット広告代理業と組み合わせ
動画広告の提案から広告測定まで一貫したサービスを提供していきます。
<グリー>の田中良和会長兼社長は現状の事業の重点分野として◉ ゲーム領域=仮想現実(VR)◉ ネットサービス領域=動画が強みを生かせる分野であると定めました。
2017年7月にアメリカのゲーム開発子会社を解散すると発表しました。
2011年にアメリカに進出して300億~400億円の投資をしましたがその成果を上げることができませんでした。
2017年8月に「2017年6月期」の連結決算は営業利益が前期比44%減と発表しました。
インターネット・ゲームの課金収入の減少が続いています。
同じく2017年8月に「2019年6月期」の連結営業利益を2017年6月期から2.5倍に引き上げる方針を示しました。
英語や中国語などに対応する言語を増やしてゲーム事業の海外売上高比率を現在の10%から25%程度に高めて利用者からの課金収入を伸ばす狙いです。
その第1弾として<住友商事>と共同でスマートフォン向けアプリゲームを北アメリカに配信すると発表しました。
2000万人の会員を抱えるアニメ配信サイト「クランチロール」を通して海外配信します。
国内で開発したゲームを海外で配信するビジネスモデルに転換しました。
2017年9月に国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構と仮想現実(VR)と拡張現実(AR)分野で連携すると発表しました。
連携の第1弾として全球降水観測計画「GPM」で観測された降水データを架空の街で体験できる「世界一の雨降り体験VR」のコンテンツを開発しました。
対応のヘッドセットなどを装着すれば世界一の豪雨を架空の街で仮想現実(VR)体験できます。
2018年2月に家庭用テレビゲーム機向けのゲームに参入すると発表しました。
任天堂の「ニンテンドースイッチ」向けにスマートフォン向け釣りゲーム「釣り★スタ」を展開します。
2018年4月に動画サイトYouTubeで3Dキャラクターの動画を制作して活動する「バーチャルユーチューバー」事業に参入すると発表しました。
新会社である<ライトフライヤーライブエンターテインメント>を設立してバーチャルユーチューバーの育成やマネジメント動画番組の企画や制作をします。
ユーチューバーチャンネルの登録増加数ランキングの上位10人のうち半数をバーチャルユーチューバーが占めています。
(2018年1月時点)新たな広告の手段として注目を集めていて2020年6月期に100億円以上の売上を目指しています。
2018年5月に香港のライブ動画配信サービスを提供する<ニューイーステージ>への出資を発表。
<ニューイーステージ>のスマートフォン向けライブ動画配信アプリに<グリー>のバーチャルユーチューバーを出演させます。
2018年6月にバーチャルユーチューバーのテレビ番組を7月から放送すると発表しました。
<東京メトロポリタンテレビジョン>と<ドワンゴ>と共同で制作した「VIRTUAL BUZZ TALK!」を東京MXテレビで放送しています。
地上波のテレビ番組として放送することでバーチャルユーチューバーを見ていない新たな視聴者層の獲得を狙います。
2018年8月に「2018年6月期」の連結決算は純利益が前期比61%減と発表しました。
<グリー>はガラケーのゲーム事業で急成長をしましたが携帯端末の主流がガラケーからスマートフォンに移り変わってもユーザーを囲い込んだガラケーを捨てられずスマートフォンへの移行が遅れました。
2017年6月期の営業利益は2012年6月期の10分の1以下です。
市場の急激な変化に対応できなかったことが大きな要因になっています。
浮き沈みの大きいゲーム事業以外に安定した収益のベースとなる新たな成長の柱となる事業を早急に育成してこれからのビジネスモデルを構築することが喫緊の課題となっています。


