第269話のテーマは『川上から川下までの垂直統合』です。
(ブログ=月水金の平日投稿です)
まさにビッグスターが現れた
大谷翔平選手の話題がテレビニュースから消えることがありませんね。
大リーグ移籍後はアメリカでの評判はあまり芳しくなかったようですがリーグ開幕後の活躍で一気にアメリカでも話題の選手になっています。
なにせ「二刀流」での活躍ですからそのインパクトは大きいですね。
しかもそこそこ打つという打撃ではなく豪快なホームランや大リーグピッチャーが厳しく攻めてくるボールに対して巧打者のようにクリーンヒットを打てば大谷選手に誰もが目を奪われてしまいます。
さらにそのマスクはまさに童顔のようで屈託のない笑顔を見せられれば誰しもが笑顔に魅了されてファンになってしまうのは仕方ありません。
それにしてもあの堂々としたプレイスタイルを見ているととても23歳とは思えません。
<日本ハム>のビジネスモデル
1942年に徳島県徳島市で「徳島食肉加工場」として設立され1951年に<徳島ハム>が設立されました。
1963年に<日本ハム>に社名を変更して本社を大阪市浪速区に移転しました。
1968年には本社を大阪市中央区に移転しています。
2016年12月にマレーシアでイスラム教の戒律に沿ったハラル食品の新工場の建設を発表しました。
マレーシアの養鶏大手である<レイ・ホン>との合弁会社になる<NHFマニュファクチャリング>です。
ハラル食品のアジアや中東での需要拡大を見込んでハラル承認済みの即席冷凍食品などを生産します。
製品の約40%をシンガポールや日本中東諸国への輸出を目指しています。
日本を訪問するイスラム系の外国人が増えているため需要を見込んでいます。
2014年にはトルコの養鶏大手である<エゲ―タブ>を買収していますが人口が8000万人程度のトルコはハラル対応鶏肉の最大市場になります。
さらに人口増加も続いているため有望市場と見込んでいます。
2017年1月にベトナムのハノイにハム・ソーセージ工場を建設すると発表しました。
日本向け商品の生産拠点として進出した東南アジアで現地市場の開拓に本腰を入れて取り組みます。
ベトナムでは年率6%を超す経済成長でホテルや高級レストランのほかコンビニエンスストアなどへ販路が拡大され現地での販売数量は毎年約10%ずつ伸びています。
2016年3月期の海外売上高比率は10%強となっているため利益率を重視しながら海外売上高比率を15%まで高める考えです。
2017年2月にウインナーの新たなブランドである「豊潤」を発売しました。
主力商品の「シャウエッセン」よりも店頭実売価格で2~30%安くなっています。
スーパーではシャウエッセンより手頃な<プリマハム>の香薫などが伸びています。
価格志向が根強い消費者のニーズを捉え新たな商品でシェア拡大を目指します。
ウインナーの新ブランドは1999年発売の「森の薫り」以来で18年ぶりの新製品の投入になります。
2017年1月に2017年3月期の純利益は前期比56%増の見込みと発表しました。
国内の食肉事業で利益率の高いブランド鶏肉「桜姫」の販売数量が増え不振だったオーストラリアの牛肉事業も販売価格の上昇などで赤字幅が縮小しコスト削減で採算改善が進みました。
2017年4月にアメリカ中部にフライドチキンなどの加工食品の工場を建設すると発表しました。
アメリカでの新工場稼働は30年ぶりでアメリカ国内の加工食品の生産量を3倍程度に高める計画です。
アメリカは人口増加の影響で食品市場の成長が見込まれています。
2017年5月にウルグアイの食肉処理会社である<ブリーダーズ&パッカーズ・ウルグアイ>の買収を発表しました。
食肉需要が増えているアジアなどへの供給体制を強化する狙いです。
<ブリーダーズ&パッカーズ・ウルグアイ>は牛などを国内の畜産農家などから仕入れて処理や加工をしてから中国やヨーロッパや米国に輸出しています。
2017年度中に静岡工場に主力商品シャウエッセンなどウインナーの生産能力を3倍に引き上げます。
茨城県と兵庫県にも大型工場があるため全国への供給体制を整える考えです。
2017年10月にタイでのブロイラーの生産に参入すると発表しました。
タイの中堅の養鶏企業である<パナス>に出資して調達を増やすことで現地で加工する冷凍商品の出荷量を増やす狙いです。
鶏肉は世界的に需要が拡大していてブロイラー主産地のタイで上流の事業に本格進出することで鶏肉の安定調達に乗り出します。
2017年12月に帯広畜産大学と農畜産業の活性化に向けた包括連携協定を結びました。
畜産技術の共同研究や人材育成北海道産の食品もブランド力向上などで幅広い協力関係を目指します。
2018年1月には畑佳秀副社長が1月29日付で社長に就任しました。
畑副社長は財務・経理部門の出身で経営計画づくりも取りまとめています。
2018年4月より新たな中期経営計画をスタートさせました。
食肉相場の高騰に伴う仕入れコストや投資の負担で海外事業は苦しんでいますが新社長である畑佳秀氏は……「海外事業を成長ドライバーとし強固な収益基盤を築いていきたい」「必要に応じてM&Aや資本提携・業務提携を進め日本と同等の事業モデルを展開していく」と記者会見で語っています。
食肉業界は国内需要の減少を輸出強化で補う戦略で輸出拡大を急いでいます。
<日本ハム>は家畜の肥育や生産といった畜産の「川上戦略」を強化しています。
いわゆる畜産の「川上」から食肉製造の「川中」そして食肉販売の「川下」までの垂直統合を目指しているように思います。
その垂直統合を海外でも実現させるため海外企業のM&Aを積極的に進めていくと思われます。
この垂直統合のバランスが整う段階で新たなビジネスモデルの構築ができます。
(次回ブログ=5月21日月曜投稿です)


