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ブログ / ビジネスモデルの企業事例

第262話 東洋ゴム工業のビジネスモデル

2018年4月27日 執筆:渡邉ひとし

第262話のテーマは『第二の創業のビジネスモデル』です。

(ブログ=月水金の平日投稿です)

次々と発表される不祥事

2008年5月に<ブリヂストン>と業務・資本提携を発表。

これから<ブリヂストン>の傘下に入るのかと思いました。

ところが2015年3月に建築物の免震機構に用いるゴム製部品の不良品の出荷や性能データの偽装を発表。

これを受けて2015年6月に山本卓司社長が引責辞任を発表。

同年10月には電車や船舶などに使われる防振ゴムの不正行為が確認されたと発表しました。

さらに2017年2月には子会社の<東洋ゴム化工品>が製造する産業用ゴム製品に必要な検査を行わずに出荷する不正行為があったと発表されその原因を調査したところ社員1人の「面倒臭かった」という職務怠慢でした。

<東洋ゴム工業>のビジネスモデル

<東洋ゴム工業>といえば「トーヨー」や「ニットー」のブランドの自動車用タイヤですが営業利益の60%を北アメリカで稼いでいます。

というのもアメリカで購入される自動車はピックアップトラックやSUVが中心で2014年1月に51%だった両車の割合が2016年10月には62%にまで拡大。

そのピックアップトラックやSUVの20インチ以上の大型タイヤでは<東洋ゴム工業>が40%を占めています。

そのため2016年末までにジョージア州の工場のタイヤ年産能力を拡大していてアメリカ向けの現地生産比率は約50%から2017年には65%程度まで高めました。

さらに2018年にもアメリカにタイヤの設計拠点を設けます。

ジョージア州の工場に約10億円を投じてデザインや性能試験ができる施設を整え従来より50%多い約30人体制にします。

これによりユーザーや自動車メーカーのニーズを素早く反映させる狙いです。

2016年12月には日本取引所グループの元COOの米田道生氏が特別顧問に就任しました。

これは2015年以降の不祥事が相次ぎ法令遵守の強化のために企業統治に詳しい米田氏を登用しました。

2016年12月期の連結決算は最終損益が8期ぶりの赤字でした。

免震ゴムの性能偽装問題に関連して667億円を特別損失に計上しました。

2015年1~3月期から交換用ゴムや改修工事の費用見積もりを進めていて8四半期にわたって特別損失を計上してその累計額は1134億円になります。

2017年6月に大阪市の本社を兵庫県伊丹市のタイヤ開発拠点の隣に移転しました。

2015年7月に新本社に移る予定でしたが免震ゴムの性能偽装が判明したことで違反建築物になるため移転を延期しました。

2017年3月には建材や産業用資材などの非自動車事業を売却する中期経営計画を発表しました。

タイヤ事業への依存から脱却するために1980年代からゴム素材の技術を生かして多角化に取り組んできましたが免震ゴムなどで不祥事が相次いで問題となったのは非自動車事業のため今後は売上高の80%を占めるタイヤ事業と自動車向け防振ゴム事業を軸にして経営の立て直しを図っていく狙いです。

この4カ年の中期経営計画ではタイヤ工場の新増設を中心に過去4年間と同程度の1280億円を設備投資に振り向けます。

なかでも北アメリカの事業を強化しながら欧州やアジア地域などの海外で主力のタイヤ生産や販売網を広げる戦略が柱になっています。

<東洋ゴム工業>の清水隆史社長は……「製品力を引き上げ各国の市場動向に応じた高付加価値タイヤを供給していく」「量を追わずに独自分野に資源を集中して利益を確保する『きらりと光る』会社にしたい」というビジョンを述べています。

2017年7月に自動車関連以外の化工品と硬質ウレタンの2つの事業を売却すると発表しました。

鉄道車両用部品やホースなどの化工品は伝動ベルト大手の<ニッタ>に建材などの硬質ウレタンは<積水化学工業>に売却します。

2017年9月には空気を入れる必要がない「エアレスタイヤ」の開発を発表しました。

パンクがしないためメンテナンスの手間がなくなります。

電気自動車が普及したとき空気圧の点検をガソリンスタンドでする機会が少なくなることを想定しています。

2018年1月にEV向けの部品を<GLM>と共同開発すると発表しました。

<GLM>は2010年に設立された京都大学発の電気自動車の開発会社です。

<トヨタ自動車>や<日産自動車>などから経験を積んだ技術者たちが転職しています。

協力企業との情報共有を重視していて開発コンセプトや開発状況を共有化し部品メーカーからの提案なども積極的に受け入れています。

そして電気自動車を完成車として売りながら「プラットフォーム」を提供する事業も手掛けています。

「プラットフォーム」とはシャシーや駆動装置や制御機器を組み合わせた中核部分のことです。

このプラットフォームを活用することでIT企業などの異業種企業が独自のIT機器を組み込んだ独自の電気自動車を造ることができます。

国内外の協力会社は170社程度にもなり独自のビジネスモデルと言えます。

2018年3月には社名を「トーヨータイヤ」に変更することが株主総会で承認されました。

2019年1月1日付に社名変更しますがタイヤなどの自動車関連事業に集中して生き残りを目指します。

清水隆史社長が掲げる「第二の創業」にするためには従来のような自前主義ではなく<GLM>のような企業との連携が生き残りには欠かせません。

「第二の創業」のビジネスモデルをこれから構築していくことになります。

(次回ブログ=5月2日水曜投稿です)

このことから何を学べるでしょうか?

多角経営の企業は……不祥事を起こして生き残りをかける時事業の「選択と集中」をすることで「第二創業」としてのスタート地点に立てる。

次のステップは「第二創業」のビジネスモデルの構築になる。

渡邉ひとし
渡邉 ひとし株式会社未来デザインカンパニー 代表取締役/持続型経営コンサルタント

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