第241話のテーマは『企業の二重構造の廃止』です。
(ブログ=月水金の平日投稿です)
意外に身近にあった商品
洗顔クリームとシャンプー・リンスはあまり気にしたことはありませんがあらためて見てみると<ユニリーバ>の製品でした。
1885年にイギリスで設立された石鹸会社の<リーバ・ブラザース>とオランダのマーガリン会社の<マーガリン・ユニ>が1930年に経営統合してできた会社が<ユニリーバ>です。
したがって本社はオランダのロッテルダムとイギリスのロンドンにあります。
一般的に知られている製品は……◉リプトン紅茶◉ブルックボンド紅茶◉クノール◉LUX(ラックス)◉Dove(ダヴ)などではないかと思います。
<ユニリーバ>のビジネスモデル
その<ユニリーバ>を買収しようとした会社がありました。
それはアメリカの食品大手である<クラフト・ハインツ>という会社です。
<クラフト・ハインツ>という会社は……クラフトチーズなどの食品会社である米国の<クラフトフーズ・グループ>とトマトケチャップなどの食品会社である米国の<ハインツ>が2015年3月に合併して発足した会社になります。
そして2017年2月に<クラフト・ハインツ>が<ユニリーバ>を約16兆円で買収しようとしましたが<ユニリーバ>が受け入れを拒否したことで<クラフト・ハインツ>が買収を断念しました。
<ユニリーバ>は買収後の工場閉鎖などでコスト削減を急ぐファンド主導型の買収に強い抵抗感を抱いたようです。
2013年より<ユニリーバ>は選択と集中を進めていて食品分野で多くの事業を売却しています。
その一方でアイスクリームなどの得意分野に限定して買収を進めています。
<ユニリーバ>の選択と集中は事業規模よりプレミアムと健康志向を重視しているのです。
しかしこの大型買収劇を経験したことで「当社が持つ価値をより早く掴む必要があることを浮き彫りにした」と表明。
買収の標的にならないようにするため今後の成長の方策を鮮明にする意向を固めました。
そのための戦略をポール・ポールマンCEOは2017年4月に発表しています。
◉不採算部門であるマーガリンなどのペースト事業の売却・分離◉紅茶やアイスクリームで構成するリフレッシュメント部門を統合◉50億ユーロの自社株買い◉3年間のコスト削減目標を20億ユーロに引き上げる◉営業利益率を20%にまで拡大これらの数々の施策は2月に大型買収劇を受けたことで株主からの圧力を避けるため株主利益を高めることが狙いです。
<ユニリーバ・ジャパン>は2016年7月より働く場所と時間を自由に選択できる制度のWAA(Work from Anywhere & Anytime)の導入と残業時間を月45時間以内という目標設定で大胆な働き方改革をスタートさせました。
その結果は……◉生産性が上がった◉子どもの学校のイベントへ参加するのに有給休暇を使わずに済んだ◉通勤ラッシュを回避することができた◉ゆったりと子どもと時間を過ごせるようになったでしたが、その反面で……◉残業代が減ったという声もあったようですが能力やスキルを上げていって成果を給料やボーナスに反映させる方向へ進めていこうとしています。
無理をした残業代で稼ぐよりも給与額アップで稼ぐ方が良さそうですね。
2017年9月に韓国の美容品会社の<カーバーコリア>を約3040億円で買収しました。
<ユニリーバ>は化粧品やスキンケアでは高級ブランドを相次ぎ買収していて健康志向を軸にした高付加価値路線を推し進めています。
同じ9月にはインドネシアで「ラクメ」ブランドの化粧品の販売を開始しました。
ポール・ポールマンCEOは「本社のロンドンやロッテルダムだけでなく世界のほかの国で消費者の求めに応じたブランドを増やしていきたい」と取材に答えています。
今年2月に発表された2017年12月期決算は純利益が前期より17%増えました。
新興国で主力のシャンプーやせっけんなどのパーソナルケア商品の販売が拡大しました。
中国ではインターネット通販が大きく拡大しています。
フランスなど欧州市場では苦戦していますがアジア市場の開拓に力を入れています。
さらに販促費が膨らむテレビCMを減らして若者に効果的にPRできるSNSでの宣伝にシフトしたことでコストを削減できました。
このとき同時に発表されたことは本拠地を英国とオランダのいずれかに絞る選択鵜をするということでした。
イギリスのEUからの離脱交渉のため本拠地の一本化は難しい判断を迫られますが2つの親会社と2つの本社二元上場という二重構造のために出資を含む大規模なM&Aが難しく事業を分離し独立させることも困難な状況。
<ユニリーバ>は健康食品やスキンケアなど成長を期待できる事業に積極投資する戦略を打ち出しています。
そのために大胆な選択と集中を決断して事業の売却と買収を進めています。
<ユニリーバ>は企業の二重構造の廃止を早期に実行することが求められています。
その後に描かれるビジョンと戦略に則ったあらたなビジネスモデルに期待しています。
(次回ブログ=9日金曜に投稿します)
このことから何を学べるでしょうか?
企業形態が複雑な会社は……先行き不透明な時代にあって抜本的な手段を打つことが困難である。
それを打開するための解決方法は苦渋の決断であっったとしてもトップダウンで英断するしか道はない。


