第208話のテーマは『相反するビジネスモデル』です。
父は「鉄道マン」だった
大東亜戦争が終戦を迎え東京で父は<国有鉄道>に入社しました。
そして母と結婚をするとともに<国鉄>の電化工事のため西へ西へと転居を繰り返し現在の岐阜県大垣市に落ち着きます。
私が生まれてからでも7回の引越しを体験しているので父も母もそれなりの苦労はあったに違いないと思います。
その後55歳定年の1年前に退職して<国鉄>関連の企業に就職しますが58歳のころには<国鉄>からの誘いもあり研修機関の「中部鉄道学園」で若い国鉄マン達を指導するため教鞭をとっています。
いま大学で講義をしているときにふと父のことを思い出すことがあります。
<JR東日本>のビジネスモデル
今月の12月7日に<JR>東京駅の丸の内駅前広場が完成しました。
これで東京駅の「丸の内口」の一連の再整備が完了したことになります。
一足先に復元された赤レンガ駅舎から皇居へ続く行幸通りまで御影石で舗装された景観はわれわれ日本人だけではなく外国人観光客にとっても観光名所になりそうですね。
今後は東京駅の「八重洲口」が超高層ビルを建設するなど再開発が始まることになります。
<JR東日本>の2017年4~9月期の純利益は前年同期比8%増と過去最高でした。
これは在来線を利用する外国人観光客が増えたためですがそれ以外には2016年3月に開業した「JR新宿ミライナタワー」の不動産事業も収益を支えています。
<JR東日本>は……2015年には北陸新幹線が金沢まで開通し2016年には北海道新幹線が開業しています。
一時的には業績はあがりましたが開通・開業の反動も出始めていて今後は利用客が一段落したことで収益の落ち込みが心配されます。
売上高に対する運輸事業の割合は<JR東日本><JR東海><JR西日本>の3社は64~77%と高いため<JR東日本>も運輸事業での収益を高めていく必要があります。
そのため東北新幹線で走る「E5系」の後継となる新型新幹線の開発をはじめて最高速度360㎞の営業運転を目指し2019年春までに試験車両を完成させる計画です。
北海道新幹線が全面開業すればさらに高速な営業運転ができることで運輸事業での収益を高めていくことができるとしています。
それ以外にも2016年に新宿で開業したJR新宿ミライナタワーや2020年春に東京竹芝で開業するオフィスやホテルの入る複合施設など<JR東日本>はグループが運営するホテルの客室数を2020年をめどに現在の60%増にあたる1万室体制にすることを首都圏を中心に計画しています。
さらには東京ドーム3個ほどの広さのある田町〜品川駅間の車両基地跡地に「品川新駅」(仮称)を開業し2024年ごろに街開きをして商業やオフィス、住宅などの高層ビル7棟を整備していきます。
その「品川新駅」(仮称)は建築家の隈研吾氏が設計しますが日本の伝統的な折り紙をモチーフにした屋根を採り入れるようで和のテイストを持った駅舎になります。
ここまで広大なエリアのまちづくりは<JR東日本>にとっても初の試みになりますが<JR東日本>沿線に対する大規模開発の試金石となり今後の沿線の土地開発などにおおきな影響を及ぼしそうです。
一方、海外に目をうつすと……今年8月にイギリスの主要鉄道路線網である「ウェストミッドランズ」の営業権を取得しました。
今月12月から鉄道の運行を担う予定です。
<JR東日本>にとって海外での鉄道運行に乗り出すのは初めてになりますが今後も他の路線の営業権取得に向けて積極的に参加する方針です。
これからの<JR東日本>は……「変わらないことを第一とする」鉄道事業と「変わることを第一とする」生活サービス事業との両輪で収益をあげていくことを計画しているようですが相反する事業のビジネスモデルを相乗効果のあるビジネスモデルに変えていくことができるかがこれからの最大の課題になります。
(*ブログ=土日祝日を除く平日)
このことから何を学べるでしょうか?
本業にかげりが見えた場合……自社の持つ強みを生かした事業をあらたに起こしていく必要がある。
そのときには現在の本業に相乗効果をもたらせる事業にしていくことが求められる。
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現象をみるのではなく本質をみることでなすべきことが理解できる
今日という日は未来のスタート地点である*注1 仮想現実:(VR= virtual reality)感覚を刺激することで現実のように知覚させる技術。
*注2 ストックオプション:「株式購入権」あらかじめ決められた価格で


