第180話のテーマは『長期的視野とスピード』です。
どんな会社か? わからない
今年2月に名古屋栄の「オアシス21」で<ユニリーバ>の黄色いキッチンカーが「リプトン」の冬季限定紅茶商品を販売していました。
<ユニリーバ>と聞くとどんな会社かわかりませんが
- リプトン紅茶
- ブルックボンド紅茶
- クノール(スープなど)
- Dove(シャンプーなど)
- ティモテ(シャンプーなど)
という商品のブランド名を聞けばすぐにわかると思います。
食品・洗剤・ヘアケア・トイレタリーなどの家庭用品を製造販売して世界180カ国以上に支店を持つ多国籍企業です。
イギリスの石鹸会社である<リーバ・ブラザーズ>とオランダのマーガリン会社である<マーガリン・ユニ>が1930年に経営統合して<ユニリーバ>になりました。
<ユニリーバ>のビジネスモデル
<ユニリーバ>は2020年までに相模原工場の生産能力を倍増します。
この工場で生産するシャンプー「ラックス」や「ダヴ」など高付加価値タイプのヘアケア製品の増産を計画しています。
「リプトン」などの紅茶製品を生産する静岡工場も増産を計画。
相模原工場と静岡工場は過去15年間で最大規模の増産投資になります。
これらの増産計画の目的は「アジア向け輸出の拡大」のためです。
インドネシアやインドの子会社は高収益をあげていますがその利益はアジアでの増産や商品開発に再投資されています。
その理由はアジアの成長が速くて収益性が高いことです。
今後も拡大させていく計画をしていますが懸念材料も出てきました。
それは競合他社も同様の考えを持ちはじめていてアジアでの営業体制を強化してきているからです。
<ユニリーバ>の総売上高に占めるアジアの比率は43%まで高まり今年5月にはミャンマーで合弁会社の設立を発表するなどアジアの新興国へも積極的に進出していく姿勢が見えます。
今年9月には韓国の美容品会社である<カーバーコリア>の買収を発表。
2015年から化粧品やスキンケアの高級ブランドを次々に買収していますが『健康』をキーワードにした高付加価値路線を推進しているためです。
その一方で成長が鈍化した食品などの部門を売却しています。
このような戦略を取りはじめたのは実は、おおきな理由があります。
アメリカの食品大手の<クラフト・ハインツ>が今年2月に<ユニリーバ>に対して買収の提案をしたことがキッカケです。
その買収提案の金額は約16兆1600億円と巨額です。
この前代未聞の大型買収は<ユニリーバ>の拒否で実現しませんでしたがこのことがキッカケで戦略の見直しを加速化させたのです。
今回の買収提案を受けたことで「当社が持つ価値をより早くつかむ必要があることを浮き彫りにした」と声明を発表したそうですがどの企業にも当てはまることですね。
不振事業撤退を加速させて小規模でも有望なブランドを獲得することを選んでいく。
いわゆる『選択と集中』を加速させることになります。
企業規模よりも『プレミアム』と『健康志向』を重視する戦略(選択と集中)です。
<ユニリーバ>のポール・ポールマンCEOは長期的な視野に基づいた経営の重要性を強調しながらも「もっと早く先へと動く好機に光を当てた」と発言しています。
これら「事業の再構築」により「事業ドメイン(領域)」が従来とおおきく変わってきます。
ここが明確になったときにあらたなビジネスモデルを構築することができるのです。
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このことから何を学べるでしょうか?
平和なときは……経営改革を駆け足で進めようとは思わない。
攻撃されたときは……選択と集中を本気で駆け足で進めなければいけないと思う。
つまりは……どんなときでも「危機感」をもって経営をしなければならない。
ミッション:会社の目的ビジョン :会社の目標バリュー :会社の行動指針
◉理想のお客様◉協力者◉主要活動◉選ばれる理由◉収益 ◉チャネル◉提供する価値◉コスト◉経営資源
現象をみるのではなく本質をみることでなすべきことが理解できる
今日という日は未来のスタート地点である*注1 D2C:(Direct to Consumer)消費者に直接商品を届ける仕組みのこと。
*注2 ストックオプション:「株式購入権」あらかじめ決められた価格で


