中小企業が価格競争に巻き込まれると利益率は確実に低下します。
値下げ合戦に参加しても体力のある大手企業には勝てません。
ではどうすれば価格以外で勝負できるのでしょうか。
その答えがビジネスモデルイノベーションです。
製品やサービスそのものを変えるのではなく
収益を得る方法や顧客への届け方などを見直します。
この手法が有効な理由は限られた経営資源でも差別化を実現できるからです。
今回はサブスクリプション型とシェアリングエコノミー型の2つのモデルを解説します。
収益を安定させるサブスクリプション型への転換売り切り型ビジネスの限界
製品を一度売って終わりのビジネスでは常に新規顧客を獲得し続ける必要があります。
毎月の営業活動で新規案件を追い続ける負担は経営者なら痛いほど理解できるはずです。
営業コストがかさみ売上予測も立てにくくなります。
一方で月額や年額で継続課金するサブスクリプション型は安定した収益基盤を築けます。
売上予測が立てやすくなり資金繰りの見通しも改善します。
また顧客との接点が増えるため追加ニーズを把握しやすくなります。
ただし単に料金体系を変えるだけでは機能しません。
顧客が継続利用したくなる仕組みが必要です。
定期的なアップデートや使い続けるほど便利になる設計が求められます。
【モデル事例】
自動車販売店向けにオンライン販促ツールを提供しているA社は
PCやタブレットで販促ポップを作成できるサービスです。
月額定額制を採用し販売店は高額な設備投資を避けられます。
業界特化で競合との差別化を実現しました。
導入店舗は継続利用するため同社の売上は安定的に推移しています。
【自社への適用ポイント】
サブスク化のポイントは顧客が繰り返し必要とする価値を見つけ出す点にあります。
製品本体ではなく定期メンテナンスや消耗品の供給
ノウハウの提供などを定額化できないか検討してみてください。
初期投資を抑えたい顧客心理に応えれば長期契約につながりやすくなります。
遊休資産を収益化するシェアリングエコノミー型眠っている資産を稼ぐ資産へ
中小企業には活用されていない資産が眠っている場合があります。
- 稼働していない設備
- 空いている倉庫スペース
- 使われていない車両など…
これらは維持費だけがかかる負担ですがシェアリングエコノミーを活用すれば収益源に変わります。
自社で使い切れない資産を必要としている他社に貸し出す仕組みです。
借り手は多額の設備投資を回避でき貸し手は副収入を得られます。
この手法の利点は新たな投資が不要な点にあります。
一方で注意点もあります。
貸し出しによる機会損失や設備の劣化リスクを考慮する必要があります。
また信頼できるマッチング先を見つける手間も発生します。
【モデル事例】
製造設備会社のB社は全国の製造業者をマッチングするプラットフォームを運営しています。
遊休設備を持つ企業は使わない時間帯に他社へ貸し出せます。
利用企業は多額の設備投資を避けられます。
中小企業庁の事例集でも有効性が確認されており
BtoB領域での新しい競争優位として注目されています。
【自社への適用ポイント】
まずは社内の遊休資産を洗い出してください。
- 使っていない機械
- 空いている倉庫スペース
- 稼働に余裕のある車両
眠っている資産は意外と多いはずです。
工場の空きスペースを駐車場として貸し出すなど小規模な取り組みから始められます。
マッチングサービスへの登録から始めれば初期投資なしで検証できます。
今日のまとめ
ビジネスモデルイノベーションは価格競争から脱却するための有効な手段です。
サブスクリプション型への転換で収益を安定させシェアリングで遊休資産を活用できます。
ただしどの手法も万能ではありません。
自社の強みと顧客ニーズを照らし合わせ適切な選択が必要です。
重要なのは自社の強みや資産を棚卸しし
顧客が繰り返し求める価値を見つけ出す姿勢です。
ビジネスモデルキャンバスで自社の構造を整理し小さな変更から始めてください。
検証と改善を繰り返せば競合との差別化は十分に可能です。


