隔週月曜日に企業の事例をもとにブログとメルマガを発行しています今日は講座の体験会のお知らせです。
ご興味の無い方はスルーしてください。
日頃は顧問先の企業様と一緒に経営計画書の作成に当たっていますが地元・中堅企業の経営者様から個人事業主の方に向けて『事業計画書作成講座』の開催はできないかと打診されました。
昨年末にお問い合わせいただき年明けに開催の意向をお伝えしました。
経営計画書とは現状の問題や今後の課題を多面的に分析して目標達成のための戦略と戦術を立案し経営計画書として完成させます。
内容は数値目標だけではありません。
事業の目的(ミッション)と事業の目標(ビジョン)事業の再構築をして事業を再定義しますさらにマーケティングの視点で事業の売れる仕組みを作りビジネスモデルの設計図を作成し商品・サービスを見直します。
今回の募集は法人向けの経営計画書作成ではなく個人事業主の方に向けて『事業計画書作成講座』の体験会(4回の開催)となります。
募集開始していますのですでにお申し込みいただいた方は周知の告知となります。
◉5月18日水曜日13:00〜15:00◉5月19日木曜日19:00〜21:00◉5月25日水曜日19:00〜21:00◉5月28日土曜日13:00〜15:00中小企業も大企業も日本の市場に於いては同じ『外部環境』のもとで懸命に営業活動をしています。
大企業の課題や経営手法を観察することで自社の経営に活かしてください。
今日の企業事例は第470話<JTB>です。
(*写真はイメージです)財団法人の営業部門が分割され創業1963年に財団法人<日本交通公社>の営業部門を分割し<日本交通公社>を創業しました。
1988年10月にコーポレートアイデンティティを導入しシンボルマークを刷新しました。
2001年1月に<ジェイティービー>に商号を変更しました。
2006年4月に受け皿会社に事業を譲渡し事業持株会社に移行しました。
2006年5月に<ジェーシービー(JCB)>と包括事業提携を発表しました。
2006年7月に<ジェーシービー>と折半出資による<J&J事業創造>を設立しました。
2018年1月に登記上の正式社名を<JTB>へ変更しました。
2018年4月に2006年4月に分社化した地域会社など合計20社を本社に統合させました。
<JTB>のビジネスモデル2020年10月に国内店舗を5年間で2割減らす方針を決めたと表明しました。
2019年度時点の店舗数約480のうち100店程度を段階的に閉鎖します。
旅行代金の支払いや契約内容の説明は店頭が中心でしたが新型コロナウイルスの感染拡大で団体旅行の需要が低迷しています。
契約前の旅行の相談なども含めオンラインでの接客も増やす考えです。
旅行需要の落ち込みに伴う業績不振で社員約1万3000人に対して冬の一時金を支給しない取り決めを労使間で合意しています。
『Go To トラベル』事業で東京発着分が適用されましたが来店にはネットなどの事前予約が必要で店舗では感染対策として席を1組空けるなどの入場制限を実施しているため対応できる客数は抑えられます。
東京都内の店舗では予約なしの来店客の対応を断るケースが多くなりました。
2020年10月に<日本IBM>とデジタルサービスに関する契約を9月に締結したと発表しました。
デジタル変革を推進するために先端技術の活用やクラウド化の推進などを進め中長期的な視野でシステム構築を進めます。
最新技術によるデジタルビジネスの推進と安定的なシステム運用サービスの両立を目指す考えです。
2020年11月にJTB沖縄はワーケーションの推進のため会員制の定額サービスを発表しました。
休暇を取りながら仕事もする新しい旅行形態であるワーケーションの推進のため年3万円で沖縄本島の2カ所のコワーキングスペースなどを提供し那覇と石垣島や宮古島を結ぶ県内航空便も3便分利用できます。
2021年3月までに宮古島にもコワーキングスペースを開設するなど5カ所に増やす計画です。
2020年11月に人員削減などを盛り込んだ事業構造改革を発表しました。
旅行業界は予約サイトを使った宿泊が急速に増えネット予約に顧客を奪われています。
新型コロナウイルスの流行により強みを持つ団体・法人向けの需要も激減し業態の縮小を迫られました。
同時に発表した『2020年4~9月期』の連結決算は最終損益が781億円の赤字でした。
個人を中心に予約サイトに顧客が流出し新型コロナの感染拡大による観光やビジネス利用の激減も要因となりました。
国内は統廃合を含め2019年度比で25%にあたる115店舗を削減します。
早期退職や自然減などでグループ社員を2021年度にかけて2割削減2022年度は新卒採用を見合わせます。
2020年12月に領収書や請求書など取引に関する書類のデジタル化を始めると発表しました。
2021年4月から実施し年間570万枚を超える書類を無くし7億円以上の営業経費削減に繋げます。
2021年2月に各地の体験型施設などを予約から決済までオンラインで可能なサービスを開始。
旅行サイト運営の世界大手である米国<トリップアドバイザー>傘下の<ボークン>と提携しました。
一般の予約サイトが対応しきれていない観光体験の予約を取り込みシステムの利用料や予約成立時の手数料を新たな収益源にする狙いです。
初年度で1000事業者の利用を目指し将来的には6000事業者に広げる計画です。
2021年2月に資本金を23億400万円から1億円に減資することを表明しました。
税制上で中小企業とみなされると税負担が軽くなるほか今期発生する巨額損失の補填原資を確保する狙いがあります。
すでに株主総会で決議済みで3月31日付で実施します。
2021年3月にオンラインでの接客サービスが全国の422店舗に拡大しました。
サービスは事前予約制でホームページや電話で受け付けます。
対話アプリ『チームズ』を活用し顧客は自宅などからパソコンやスマートフォンを通じて相談します。
2021年4月に<日本IBM>と観光業のデジタル化推進の会社を共同出資で設立と発表しました。
<JTB>の完全子会社の<JTB情報システム>に<日本IBM>が出資しました。
JTBグループのデジタルトランスフォーメーションを推進する役割を担います。
2021年5月に発表した『2021年3月期』の連結決算は最終損益が過去最大となる1051億円の赤字でした。
新型コロナウイルスの感染拡大による影響が長期化したため国内外の旅行需要が急減しました。
早期退職などグループ全体で約700人を追加削減し今期賞与を支給しない方針です。
2020年11月の発表分と合わせ人員削減は全体の約25%に当たる7200人規模になります。
2021年8月に福利厚生代行子会社<JTBベネフィット>の<ベネフィットワン>への売却を発表。
新たに提携を結び2社の顧客基盤を生かし旅行や研修などの法人向けサービスを強化する考えです。
2022年2月に観光地のごみのポイ捨て問題解決のため京都市などと実証実験を始めました。
ごみを観光地で処分したい観光客にキャッシュレス決済システムを使って任意の金額を支払ってもらいごみ箱の設置や維持・管理などごみ処理関連費用に充当します。
ポイ捨てがない観光地を観光客と商店街などが協力して持続できるかどうか検証します。
2022年4月に米国ハワイツアーの取り扱いを約2年ぶりに再開すると発表しました。
外務省が米国の感染症危険情報レベルを渡航中止勧告から不要不急の渡航を控えるに引き下げたためツアー再開を決めました。
今日の企業事例である<JTB>を少し俯瞰してみましょう。
2022年4月から福利厚生代行大手<ベネフィット・ワン>と相互営業を始めました。
<JTB>が法人顧客に<ベネフィット・ワン>の福利厚生商品を紹介する一方で<ベネフィット・ワン>は顧客に<JTB>の旅行商品を割引価格で販売します。
法人顧客のネットワークを生かして収益拡大につなげたい考えです。
2021年11月には2023年春入社の新卒採用を2年ぶりに再開すると発表しています。
本社など資産売却の効果で最終損益が黒字に転換しましたが旅行需要の低迷で営業損益は赤字です。
2019年度に期中平均で約2万9千人いた社員を2021年度中に約7200人減らす目標を掲げ9月末までに約8100人減っています。
「痛みを伴う改革で収益改善に大きく寄与している」「需要回復の規模に応じて人員の補充はある程度しないといけない」と<JTB>の山北栄二郎社長は記者会見で述べています。
<JTB>は2019年実績で個人向け旅行取扱高の7割をリアルの店舗に依存しています。
<リクルート>の『じゃらん』や<楽天グループ>の『楽天トラベル』などに続き<JTB>のオンライン旅行取扱高は業界4位となっています。
「ウェブ予約に比べ店舗に来店した人の成約率は高い」「ウェブを見た上で店舗に来る人もいてそのシンクロがJTBの強みになる」と<JTB>の山北栄二郎社長は述べ「ウェブとコールセンター店舗が連携して収益を伸ばす観光DXを進める」と次の戦略について述べていますが提携先となるホテル・旅館はコロナ禍での生き残り策として自社の魅力をアピールして客室を売る直販型にシフトして一定の成果を出し始めています。
旅行市場が大きく転換するなか旅行事業を抜本的に進化させるか旅行以外からの収益を確保できる体制に転換しなければ経営改革は進みません。
「今の状況が2年続いても耐えられる財務基盤を作り上げた」と山北栄二郎社長は述べていますが2年間の間に本格的な構造改革を実行し新たなビジネスモデルが構築できなければさらなる厳しさに直面する事態に陥る可能性があります。


