新型コロナウィルスの感染拡大の影響を受けていますか?
4月23日に<ワタミ>が<日本政策投資銀行>に100億円規模の資金支援を要請したと報道されました。
<ワタミ>の国内外食事業(既存店)は3月度の月次業績が前年同月比57.9%で42.1%減となりました。
客数は前年同月比56.5%で43.5%減となり客単価は前年同月比102.6%でした。
しかし比較対象である2020年3月で前年同月比59.6%と前年実績を大きく割っていたので新型コロナウイルスの影響を受ける前の2019年3月時点と比較すると2021年3月度は34.5%まで落ち込んでいるという事実があります。
さらに3度目の緊急事態宣言が2021年4月25日から5月11日まで東京都、大阪府、兵庫県、京都府を対象に発令され実施しています。
中小企業も大企業も日本の市場に於いては同じ『外部環境』のもとで懸命に営業活動をしています。
大企業の課題や経営手法を観察することで自社の経営に活かしてください。
今日の企業事例は第440話<GMOインターネット>です。
(*写真はイメージです)創業者の夢手帳が実現している1991年5月に創業者の熊谷正寿氏が<ボイスメディア>を設立しました。
マルチメディア事業を目的として各地にパソコン通信やプロバイダーのアクセスポイントに似たアクセス拠点となるテレホンセンターを設置し全国展開しました。
1995年11月に普及し始めたインターネットに注目して<インターキュー>に商号を変更しインターネットのインフラやサービスインフラを提供するためインターネットプロバイダ関連事業へ参入しました。
1999年4月に<ICANN>より商用ドメイン名登録機関に選出されました。
2000年12月にドメイン登録サービス『お名前.com』が登録数10万件を突破しました。
2001年4月に<グローバルメディアオンライン>に商号を変更しました。
2005年6月に<GMOインターネット>に商号を変更しました。
2007年12月に<ヤフー>との資本・業務提携を発表しました。
2016年6月に<あおぞら銀行>および<あおぞら信託銀行>とインターネット銀行の共同運営に関して資本業務提携しました。
<GMOインターネット>のビジネスモデル2019年11月に発表した『2019年1~9月期』の連結決算は純利益が前年同期比8%増でした。
ネット通販の市場拡大に伴って決済代行やネットショップの導入支援サービスが伸びたほか投資先企業の上場に伴う売却益も利益を押し上げました。
2019年12月に反社会的勢力のチェック機能を強化すると表明しました。
<GMOクリエイターズネットワーク>はフリーランスなどの個人事業主が反社会的勢力との関係がないかを依頼主の企業が確認できるようにします。
人手不足によるフリーランスの需要の高まりなどから企業のコンプライアンス強化の要請に対応する考えです。
2019年12月に社員証で社内の自動販売機などの支払いができるサービスの開始を表明しました。
新たに社員証を発行したり大規模なシステムを開発したりする必要はなく導入コストを抑えられます。
<GMOフィナンシャルゲート>が提供する決済端末を自販機に取り付け社員証をタッチして決済します。
2020年1月にスマホアプリに後払い用バーコードを発行するサービスを始めました。
これまで電子商取引事業者が商品を発送すると後払い用バーコードを記載した書類やはがきを別途送っていましたが<GMOペイメントサービス>は電子商取引事業者向けにスマホアプリに後払い用バーコードを発行するため購入客が商品到着後にすぐ払いたくても書類が届いていないことがあるとか郵送書類を到着後に紛失したという問題も解消されます。
2020年1月に日本国内にいる全従業員の9割を在宅勤務にする方針を決めました。
新型コロナウイルスの感染が国内で確認されたことへの対応です。
2020年7月に不動産管理の支援サービスを始めると発表しました。
<GMOテック>は賃貸物件のオーナー向けに電子契約や収支管理のシステムを提供するなど不動産管理のデジタルトランスフォーメーションを支援する考えです。
2020年8月に運営する電子商取引支援サービスで『PayPay』の使用を可能にしました。
9月から<GMOペパボ>が運営するECサイト構築支援の『カラーミーショップ』で11月から<GMOメイクショップ>が運営する『メイクショップ』で出店者が『PayPay』での支払いを導入できるようにします。
2020年8月に発表した『2020年1~6月期』の連結決算は営業利益が前年同期比50%増でした。
2020年10月に『ローカル5G』の予備免許を取得したと発表しました。
次世代通信規格『5G』を狭い範囲で運用するのが『ローカル5G』ですが東京・渋谷の本社2カ所で本社があるビル2棟にローカル5Gの無線局を設置して社内外のエンジニアやクリエーター向けに『5G』の実験やテスト環境として開放しサービスの開発に役立ててもらう考えです。
2020年10月に行政支援に特化する専門部署を立ち上げました。
行政機関で押印廃止やオンライン申請が進むとみて国や地方自治体で電子契約サービスの導入など手続きのデジタル化を促し行政機関のデジタル化支援を強化する狙いです。
2020年10月に電子署名サービスの月額基本料金を最大56%値下げすると発表しました。
官民で電子署名による脱ハンコが進んでいるため値下げすることでサービス導入のさらなる拡大につなげる考えです。
2020年11月に発表した<GMOペイメントゲートウェイ>の『2020年9月期』の連結決算は純利益が前期比45%増で3期連続で過去最高益を更新しました。
電子商取引サイト向けに決済システムを提供する主力事業が好調でした。
2020年12月に仮想通貨『ステーブルコイン』を発行すると表明しました。
法定通貨を裏付け資産とする仮想通貨『ステーブルコイン』で来月にも欧米など海外取引所で日本円を担保とする仮想通貨『GYEN』の取引が可能になります。
ステーブルコインはドル連動型が多く円連動の発行は初めてとなります。
裏付け資産のない『ビットコイン』など他の仮想通貨と異なり値動きが小さく決済で利用しやすくなります。
円のまま金融機関を通じて海外に送金すると数%の手数料が必要となり数日かかることもありますが『GYEN』を海外に送る手数料は1回あたり数十~数百円で時間は数十分で済みます。
2021年3月に電子署名サービスの導入を新潟県三条市が決めたと発表しました。
紙の契約書を使う従来のやり方では文面の確認や印刷、押印、郵送などで1週間ほどかかっていましたが1月に始めた実証実験では最短数分で完了しました。
2021年4月に『非代替性トークン(NFT)』を活用した事業への参入を表明しました。
『非代替性トークン』はブロックチェーン技術を用いて芸術作品などの作者や所有者の情報を保証するデジタル資産を指します。
データの複製が容易なデジタル作品の希少性を厳格に裏付ける技術としてアートや娯楽作品の市場を中心に注目されています。
今日の企業事例である<GMOインターネット>を少し俯瞰して見てみましょう。
<GMOインターネット>はグループのうち上場企業は10社ですが今後も20〜30社を上場させたいと考えているようです。
近年は親子上場によってグループ企業間に利益相反が生じ上場子会社の少数株主の利益が損なわれるという考え方などから親子上場の解消が進んでいます。
そんな中でグループ企業の上場を進める目的について
- 資金確保
- 人材確保
- モチベーション維持
の3点を熊谷正寿代表は挙げています。
「上場子会社それぞれが日本や世界を支える大企業になるような企業グループを思い描いている」と<GMOインターネット>の熊谷正寿会長兼社長は述べています。
オンラインで契約が可能な場を提供する電子署名サービスは脱ハンコの追い風が吹き急速に利用が広がっています。
国内市場は<弁護士ドットコム>が草分けですが<GMOインターネット>がこの1年で導入企業数を約40倍に伸ばし首位に立ちました。
熊谷正寿会長兼社長は長期計画『55カ年計画』を1996年に策定していますが
- 売上高10兆円
- 利益1兆円
- 雇用20万人
を2050年のゴール目標としています。
従来の得意分野や中核事業に固執していると周辺の新しいことに目が向かなくなります。
10年先、20年先もいまの事業の延長でやって行けるかかを見極め経営資源を複数の事業に適切に配分する必要があります。
『パレートの法則(80対20)』が示しているように常に20%の新たなチャレンジを続けていくことの大切さを顧問先様に伝えていますが<GMOインターネット>も新たなチャレンジを継続しビジネスモデルの修正を繰り返していくことを願っています。


