米国<Apple>は10月13日に高速通信規格『5G』に対応したスマートフォン『iPhone12』のシリーズを発表しました。
日本国内では『5G』に対応した機種は販売されていましたがいまいちパッとしない状況でした。
<Apple>のスマートフォン『iPhone12』は発売されることで高速通信規格『5G』に対応した各種の商品やサービスがこれから展開されそうです。
『コロナ禍』の影響で経済負荷が大きくのしかかっていますが新技術『5G』の登場により少しでも経済の活性化に影響が及ぶことを切に願っています。
中小企業も大企業も日本の市場に於いては同じ『外部環境』のもとで懸命に営業活動をしています。
大企業の課題や経営手法を観察することで自社の経営に活かしてください。
今日の企業事例は第413話<アステラス製薬>です。
(*写真はイメージです。)
合併した2社の特長を生かしています2005年4月に<山之内製薬>と<藤沢薬品工業>が合併<アステラス製薬>に改称しました。
2005年5月に研究用試薬・臨床検査用試薬など医療関連製品事業の撤退を発表しました。
2006年4月に原薬関連事業を分社化し<アステラスファーマケミカルズ>を設立。
2006年4月に<ゼファーマ>を<第一三共>に譲渡しました。
2008年10月に『つくば研究センター』の新研究棟を竣工しました。
2013年5月に世界最大の独立バイオテクノロジーの企業である<アムジェン>との間で日本国内における戦略的提携に関する契約を締結しました。
<アステラス製薬>のビジネスモデル2019年4月に『2020年3月期』の連結純利益が前期比18%減と予測を発表しました。
過活動ぼうこう治療薬『ベシケア』など主要製品の独占販売期間が満了したため収益の減収になります。
2019年6月に<エルピクセル>と共同で細胞培養を効率化する技術の開発を表明しました。
医療用の人工知能技術を持つ<エルピクセル>と画像解析技術と人工知能技術を使うことで治療に適した細胞が培養できているかを判断することができます。
再生医療の研究や臨床向けの細胞医薬品の開発を後押しする狙いです。
2019年6月に<日本マイクロソフト>と技術開発で連携すると発表しました。
医師と患者の会話を支援するMR(複合現実)ソリューションの開発でリアルに表現した臓器や骨などの映像や画像を現実世界に投影しそれらのイメージに触れるように操作できるようにする技術です。
2019年6月に『心房細動』の貼り薬を売り出しました。
『貼り薬』にすることで『錠剤』で問題になる飲み忘れや飲み過ぎを防ぎやすく医師や介助者にも服薬の状況が一目で分かります。
薬の有効成分が切れにくく副作用は抑えやすく飲み込む力が衰えた高齢者も安全に使うことができます。
2019年9月に体内に埋め込んで病気を診断したりする医療機器を開発すると表明しました。
神経を伝わる電気信号などを検出することで組織や臓器の状態を診断したり神経や筋肉に電気刺激を与えて患部を治療したりする医療機器を米国<アイオタ・バイオサイエンシズ>と共同で開発します。
2019年11月に『BlueStar』を日本や一部アジア地域で商業化する契約の締結を発表しました。
治療用アプリ開発会社<ウェルドック>の糖尿病を管理するデジタルセラピューティクスの契約です。
『デジタルセラピューティクス』とはスマートフォンのアプリなどデジタル技術を用いて疾患の診断、予防、治療などを支援したりするものです。
2019年12月に米国<オーデンテス・セラピューティクス>を買収すると発表しました。
バイオスタートアップ企業でおもに遺伝子の運び手となる『アデノ随伴ウイルス(AAV)』を使った遺伝子治療技術に強みを持っています。
新たな遺伝子治療技術を手に入れるとともに米国を中心に希少疾患領域での事業拡大を進めたい考えです。
2019年12月にがん免疫療法で5つの新薬開発を進める方針を示しました。
<アステラス製薬>の安川健司社長は……「科学の進歩を患者の価値に変えられる領域に注力する」と述べています。
<アステラス製薬>開発担当のスティーブン・ベナー氏は……開発中の5つの新薬が「臨床試験(治験)段階にある」と述べています。
2020年1月に免疫抑制剤の新たな工場棟を富山市に建設すると発表しました。
主力製品の原薬の生産能力を高めることで需要に応じた柔軟な生産計画を立てられるようにする狙いです。
2020年4月に<バンダイナムコエンターテインメント>と健康支援アプリの試験販売の検討を発表。
生活習慣病の改善や予防のための運動プログラムを盛り込んだアプリを共同で開発し科学的な効果を検証した上で試験販売するか決める考えです。
2020年4月に英国<ナンナセラピューティクス>を買収したと発表しました。
細胞内のミトコンドリアの異常による疾患に対する創薬を研究するバイオベンチャーの会社です。
2020年7月に安川健司社長は医療崩壊を防ぐため万全を期す考えを述べました。
「患者の命に関わる医薬品を供給し続ける義務がある」「薬の情報提供など医師向けの支援もリモートで問題なく対応している」と取材に対して述べて医薬品のサプライチェーンの各段階の在庫の積み増しも検討しています。
2020年8月に『2021年3月期』の連結純利益が前期比1%増との見通しを発表しました。
主力製品の販売は好調ですがコロナ禍の影響で前期末に市場で流通在庫を積み増した反動が出ること患者の受診抑制を受けて一部製品の需要が減るなどのため従来予想から引き下げました。
2020年8月に<エリックス>と共同で人工知能創薬のアルゴリズム開発を発表しました。
人工知能開発の<エリックス>が開発するアルゴリズムに<アステラス製薬>がもつ創薬のデータを学習させより精度の高い分析を目指します。
2020年10月にがん治療向けに患者の体内で放射線を出す薬の開発を表明しました。
大腸がん、肺がん、乳がんなど向けに放射性医薬品と呼ばれる薬の候補物質を開発しました。
がんを見つける診断薬とがんを攻撃する治療薬を開発しそれぞれ実用化を進めています。
今日の企業事例である<アステラス製薬>をすこし俯瞰して見てみましょう。
2000年9月に糖尿病患者らの運動療法を支援するサービスを始めました。
サービス名は『Fit-eNce』で2型糖尿病患者のほかメタボリック症候群で高血糖を抱える患者を想定して開発しました。
医師からサービス利用の承認を得たうえで専用のプログラムを提供するフィットネスクラブに申し込みトレーナーが患者個人の年齢や筋力などに合わせて運動メニューを提案します。
患者が運動の内容をアプリに入力すると医師も専用ウェブサイトで患者のフィットネスクラブの利用頻度や運動の履歴などを確認できます。
2型糖尿病患者には運動療法が有用であるとされますが運動の自己管理や継続が難しいという課題がありました。
2020年7月時点の<アステラス製薬>の株価が他の製薬株に比べて冴えません。
それは現在の主力薬が今後数年で特許切れを迎えることに起因しています。
2つの主力薬だけで今期の売上収益の半分を稼ぎます。
そこで2018年に就任した安川健司最高経営責任者が主導する『フォーカスエリアアプローチ』という戦略は治療技術や知見を多様な疾患に広げて芋づる式に新薬を開発するという考え方です。
がん免疫、再生、ミトコンドリアといった生命現象と遺伝子治療などの技術を組み合わせて様々な病気に対応させていきます。
<アステラス製薬>は重点領域の成長に向けて外部との連携や企業買収を積極的に繰り返してきました。
『2021年3月期』までの中期経営計画でも他分野との連携による新事業創出を掲げています。
『フォーカスエリアアプローチ』の成果を着実に出していくことが<アステラス製薬>にとって中長期的な成長戦略のカギを握ると考えています。


