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ブログ / ビジネスモデルの企業事例

第396話 大林組のビジネスモデル

2020年6月19日 執筆:渡邉ひとし

新型コロナウィルスの特性が徐々に解明され始めています。

感染拡大に伴う恐怖からさまざまな手を打ってきましたが見当違いや過剰反応など専門家によって諸説を唱える状況が起こり始めています。

世界でワクチンの開発も進んでいますが最終段階に入った機関も出始めてます。

いずれにしても元の状態に戻ることはありません。

ニューノーマル(新常態)のライフスタイルが始まっています。

企業は新たなビジネスモデルを構築することが求められています。

これから『つながる(つながり)』という言葉がキーワードになります。

大企業の企業事例を読んで変化する経営環境を読み取ってぜひ自社の事業に照らし合わせながら新たな取り組みに生かしてください。

今日のビジネスモデルの企業事例は大阪で成長して東京へ進出1892年に大阪で土木建築請負業である<大林店>を創業しました。

1904年に店名を<大林組>と定めました。

1909年に合資会社<大林組>を設立しました。

1918年に株式会社<大林組>を創立しました。

1919年に株式会社<大林組>に合資会社<大林組>を合併しました。

1936年に株式会社<第二大林組>を設立しました。

1937年に株式会社<第二大林組>が株式会社<大林組>を吸収合併し商号を株式会社<大林組>に変更しました。

1973年に大阪初の超高層ビル『大阪大林ビル』を竣工し本店を移転しました。

2010年に本店を東京へ移転しそれぞれ東京本社と大阪本店に改称しました。

< 大林組 >のビジネスモデル18年7月に米国<SRIインターナショナル>との提携を発表しました。

米国<スタンフォード>大学の研究機関を前身に持つ<SRIインターナショナル>ですがタブレットの3次元画像と照らし合わせて設計図通りに鉄筋が組み立てられているかが分かるシステムを開発したことで検査時間を最大で半減できます。

<SRIインターナショナル>発のスタートアップでる<サイズミック>とロボット工学を基にした人工筋肉を使って作業員の動きを助ける衣料を開発することも決めました。

<大林組>オープンイノベーション推進プロジェクトの堀井環チーム部長は「<ウーバー・テクノロジーズ>のように産業構造を壊す動きが建設業でも出てくる可能性がある」と述べています。

2018年12月に人工知能を使って効率化する業務システムを開発したと発表しました。

免震構造ビルなどの基礎に打設するコンクリートの充填率を目視検査しますが人工知能を使って自動計測し検査担当者が目視していた作業負担を効率化します。

5日以上かかっていた充填率の計測作業を新システムではおよそ2~3日で終えることができます。

2019年1月にモニターの画面上で実際のクレーンの動きを制御できるシステムを開発しました。

モニター上に建設現場とクレーンを3D画像で再現し鳥瞰的な視点から画面上で10センチ単位で動きを確認できます。

技能労働者の不足が続くため熟練の技を補完するシステムとして実用化を目指します。

2019年3月に<大林組>などの企業グループ4社は大型複合ビルを建設すると発表しました。

<大林組>のほか<京浜急行電鉄><ヤマハ><新日鉄興和不動産>で構成する企業グループで横浜市の『みなとみらい21地区』にあるみなとみらい線・新高島駅前に地上28階建てのWEST棟と15階建てのEAST棟の2棟を建設します。

2棟合わせた就業者数は1万2000人程度になる見通しで2020年12月に着工する予定です。

2019年5月に発表した『2019年3月期』の連結決算は純利益が前期比22%増でした。

シンガポールや北米の子会社など海外建設事業の受注高は21%増加しました。

青森の競技場や首都圏のオフィスなどの大型案件などの工事も順調に消化し2期ぶりに最高益を更新しました。

2019年6月に『サステナビリティ債』を発行しました。

環境への貢献や社会問題の解決などに資金使途を限定する社債で調達した資金は地熱発電から水素を製造する研究など再生可能エネルギー分野への投資を予定しています。

2019年7月に『バックホウ自律運転システム』を共同開発したと発表しました。

<大林組>は<NEC><大裕>とダンプトラックへの土砂積み込み作業を自動化できるシステムを開発。

バックホウ(油圧ショベル)を離れた場所にある『自動制御装置』から無線を使って制御できます。

熟練技能者による操縦ノウハウや人工知能技術を活用することで掘削や積み込み時の動作を高精度に再現することが可能になります。

2019年7月に日本初の高層純木造耐火ビルの建設に着手すると発表しました。

次世代の研修施設の在り方を突き詰めた結果全ての構造部材に木材を使用する『高層建築物の木質化』でした。

<大林組>設計本部プロジェクト設計部の伊藤泰部長は「中規模建築物では鉄骨造や鉄筋コンクリート造を木造に置き換える需要が近い将来に盛り上がるだろう」と述べています。

2019年12月に建築資材の運搬などへの活用を見据え輸送用ドローンの実証実験を始めました。

『空飛ぶクルマ』を開発するスタートアップの<スカイドライブ>と100キログラムまで輸送できるドローンの開発を目指すほか2020年秋の活用を目指し飛行の安定性や効率を高めます。

2020年2月に『5G』を活用して建設機械を遠隔操作する実証実験を実施しました。

<大林組>は<KDDI><NEC>と共同で次世代通信規格『5G』を活用して建設中の三重県『川上ダム』で遠隔操作と自動運転で道路造成工事の一連の作業ができることを実証しました。

建設業は作業員の高齢化と人手不足が進み建設機械の遠隔操作で施工の効率化を進めていきます。

2020年4月に緊急事態宣言下にある7都府県の建設工事を原則的に中断すると発表しました。

社員や下請け会社などの身体、生命の安全を守ることを最優先し対象となる現場は約350件で発注者と協議し工事を順次止める考えです。

2020年5月に発表した『2020年3月期』の連結決算は純利益が前期から微減の1130億円でした。

建築工事で採算の悪化が見込まれるため損失引当金を計上しました。

2020年6月に国内の建設現場に顔認証技術を活用した入退管理サービスの採用を発表しました。

スマートフォンやタブレットなどから作業員の顔を識別し全地球測位システム(GPS)で位置情報も同時に取得することで入退場の場所や時間を正確に把握できます。

<NEC>が提供する『建設現場顔認証 for グリーンサイト』はクラウド型のサービスですが建設会社向け労務管理サービス『グリーンサイト』と連携させることで国内の全ての現場で活用する考えです。

今日の企業事例である<大林組>を少し俯瞰してみましょう。

『東京オリンピック・パラリンピック』に向けた国内の建設ラッシュが一段落した<大林組>は<東亜建設工業>と組んで洋上風力発電用の風車を建設する専用船『SEP船』の建造を進めます。

太陽光や陸上風力を設置できる余地も小さくなるなか国内の洋上風力への関心が高まります。

<国際エネルギー機関(IEA)>は2040年までに日本の風力発電は現在の約5倍の530億キロワット時まで拡大すると予測しています。

日本では小型の実証機を除いてほとんど商用化されていません。

洋上風力が未開の地だった日本で関連投資が動き出した動機は日本政府が『海洋再生エネルギー発電利用促進法』を打ち出したことです。

洋上風力の設置に適した促進区域を定め発電事業者が海域を占用できる期間を最長30年間確保できるようにしました。

2019年8月に発表した技術は3Dプリンターを活用し2種類のセメント系材料を一体化して構造物を造る技術です。

曲面型枠や鉄筋を使わずに圧縮強度と引っ張り強度を兼ね備えた自由な形態の構造物を製造できます。

セメント系材料を用いた3Dプリンターによる構造物としては国内最大規模になります。

このように新たな技術などに取り組み進化を続ける<大林組>ですが国内の需要は減少していきます。

海外での建設事業においては世界の建設会社との競合になります。

国内の需要に合わせた技術だけでなく世界の需要に合わせた技術や課題解決に取り組むことが<大林組>の将来の成長に欠かせない当面の目標になります。

今日の事例で何を学べるでしょうか?

国内の業界で有数の企業は……日本国内の人口の減少化に伴い海外での事業拡大に取り組む必要がある。

国内の需要だけでなく世界の需要に応えるべく新たな技術の開発や課題解決に取り組む必要がある。

渡邉ひとし
渡邉 ひとし株式会社未来デザインカンパニー 代表取締役/持続型経営コンサルタント

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