『前例主義』や『自前主義』がまかり通っていた時代は『昭和』の時代でした。
インターネットが普及してロボットや人工知能などが中小企業にも取り入れられたのは『平成』の時代でした。
いまは『第4次産業革命』が進み『DX』へと突入していく『令和』の時代です。
新型コロナウィルスと共生する新たな社会構造の形成が目の前に迫っています。
『ウィズ・コロナ』の時代には『つながる』という言葉がキーワードになると予見しています。
大企業の企業事例を読んで変化する経営環境を読み取ってぜひ自社の事業に照らし合わせながら新たな取り組みに生かしてください。
モーターからロボットへ事業を拡大1915年に<明治鉱業>の電気用品の開発製造のため<安川電機製作所>を創立しました。
1919年に株式会社<安川電機製作所>を設立しました。
1967年に<米国安川電機>を設立しました。
1972年に『メカトロニクス』を商標登録しました。
1980年に<欧州安川電機>を設立しました。
1991年に<安川電機>に社名を変更しました。
2002年にソリューションセンタを開設しました。
2011年に関東ロボットセンタを開設しました。
2013年に海外初のロボット生産拠点を中国に開設しました。
2018年に『安川ソリューションファクトリ』埼玉県に次世代生産工場を開設しました。
<安川電機>のビジネスモデル2018年10月に『安川ソリューションファクトリ』を稼働させました。
自動化を徹底し人工知能も活用して生産効率を従来の3倍まで向上できます。
熟練工の技が必要になる『エンコーダー』と呼ばれる精密機器の調整作業も人工知能を使ったビッグデータ解析で工数を約45%減らしました。
さらに人手を従来の3分の1に減らしながら生産速度を3倍に高めます。
モーションコントロール事業部長の熊谷彰執行役員は……「工場のあるべき姿を描くことがこの工場の目的だ」「お客様に見てもらうことで安川のロボットやサーボモーターの販売につなげていきたい」と述べています。
工場内の様々な稼働データを人工知能などで分析する生産支援サービス『アイキューブ メカトロニクス』を導入顧客工場にも売り込み始めています。
2018年11月に四半期決算を最短1週間で集計するため新システムを導入すると表明しました。
2025年までに開発や資材調達生産や販売の情報を一元化して人工知能でムダな経費や業務を洗い出して削減し取引先の自動車や半導体メーカーが見直す生産計画にも素早く対応します。
海外子会社を含めたグループの経営数値を毎日把握し経営効率を高める『デジタル経営』を加速させる考えです。
2019年4月に製品開発スピードを従来の2倍に引き上げると表明しました。
2020年夏に稼働する開発拠点『安川テクノロジーセンタ』を活用して新設の技術開発本部が国内外の開発データを統合していきます。
まずは2019年度にロボット、モーター、システム制御など各事業部で分かれていた開発データを統合していきます。
基礎研究から量産に至る工程を見える化することで特許などの知財戦略や競合製品との比較を社内で共有し競争力の高い製品を具体的な生産ラインとして各工場に落とし込む考えです。
2019年6月に本社のロボット工場の製造ラインを報道陣に公開しました。
ロボット第1工場では女性と協働ロボットが分担しながらロボット部品を組み立てています。
人間と一緒に働く「協働型」と呼ばれる協働ロボットは人との接触を感知し自動停止する機能など安全性能を高めています。
狭いスペースでも設置でき一般的な産業用ロボットより電圧が低いため安全柵の設置も不要です。
10人の作業員で1日あたり33台だったロボットの生産台数が協働ロボットを導入することで約1.5倍の50台に増やせました。
2019年10月に運動機能障害を持つ人向けの前腕リハビリ装置を発売しました。
回転ホルダーに肘先を差し込んでハンドルを握るとサーボモーター制御で患者や作業療法士が決めた可動域の動作を正確に反復訓練できます。
<鹿児島大学>との共同研究で製品化し医療機器の認証を取得しました。
2019年11月に『 IoT』の営業担当をグループで最大500人体制にすると表明しました。
中堅若手社員の登用や子会社の合併で要員を確保しIoTを使った次世代工場モデル『 i3メカトロニクス」を製品と生産支援サービスの組み合わせで売り込む狙いです。
2019年12月に<経済産業省>はロボット活用を担う人材育成のため協議会設置を発表しました。
産業用ロボットメーカーと高等専門学校(高専)が連携してロボットの活用を担う人材育成やロボット技術の高度化を目指す考えです。
2020年4月に発表した『2020年2月期』の連結決算は純利益が前期比65%減でした。
米中貿易摩擦の長期化で世界的に設備投資を手控える動きが広がり産業用ロボットなど主力製品が低迷しました。
『12~2月期』は新型コロナが売上高で70億円、営業利益25億円が目減りする要因になりました。
主力のモーターやインバーターを製造する中国工場が3月後半からフル生産になりましたが新型コロナの影響で先行きが見通せず『2021年2月期通期』の業績予想を非開示と決めました。
社員の在宅勤務推進や国内外の出張はすでに禁止しています。
昨年(2019年)6月には2020年2月期から始まる新しい中期経営計画を発表しました。
次世代通信規格『5G』の普及に伴う半導体製造装置向け製品の販売強化電気自動車の製造に対応したロボットの開発ロボティクス事業における中国・アジア市場でのシェア拡大これらがメインの取り組みになりますが医療や食品関係で売上高を50~100億円の事業にし今後の中核事業に育てたい考えです。
そして最終年度となる2022年2月期には営業利益700億円を目指します。
2020年1月に<安川電機>の小笠原浩社長は……「2020年は『YDX』安川デジタル・トランスフォーメーション元年にする」と発表しました。
2017年に経営企画と経理の部署を統合して月次売上高などではなく日々のリアルな会計情報で経営陣が議論できるよう指示しました。
「四半期決算は期末から1週間で集計する」と号令をかけ「手応えが出てきた」と述べています。
売上高の60%強が海外というグローバル企業でありながら会計データの統合に取り組むデジタル経営への改革を推進してきました。
2020年度には新たな社内公募型の投資プログラムを立ち上げます。
『安川イノベーションプログラム』と呼ぶ取り組みは2016~18年度で20億円というスタートアップ投資枠の新設から始まりました。
「新しいアイデアや若い人材の能力をいち早く評価できない企業は負ける」と小笠原浩社長は述べています。
このような技術の潮流や市場の変化を追う姿勢こそが『持続型企業の礎』といえます。
今日の事例で何を学べるでしょうか?
技術革新が進む業界では後追いの姿勢は命取りになる。
積極果敢な攻めの姿勢こそが唯一の生き残る選択肢である。


