2011年3月11日の東日本大震災後に『絆』という言葉がキーワードになりました。
今回の新型コロナウィルスの影響で人と直接会うことや外に出かけることが激減しています。
新たに『オンライン授業』や『オンラインセミナー』などが急速に増えてきました。
『アフター・コロナ』では『つながる』という言葉がキーワードになると予見しています。
大企業の企業事例を読んで変化する経営環境を読み取ってぜひ自社の事業に照らし合わせながら新たな取り組みに生かしてください。
今日の企業事例[第387話]のテーマは『自前主義からの脱却』Security Communication=セコム1962年7月に飯田亮氏と戸田寿一氏により<日本警備保障>を設立しました。
1964年10月に東京オリンピックの選手村などの警備を単独で担当しました。
1966年6月に日本初のオンラインによる安全システム『SPアラーム』を開発し発売しました。
1973年2月に『セコム』(Security Communication)をブランドとして決めました。
1975年3月に世界初のコンピュータ安全システム『CSS』を確立しました。
1981年1月に日本初の家庭用安全システム『マイアラーム』を開発し発売しました。
1983年12月に<日本警備保障>より<セコム>に社名を変更しました。
1986年12月に人工知能などの基盤技術の研究をおこなう<セコムIS研究所>を設立しました。
1998年7月に日本初のオンライン画像監視システム『セコムAX』を開発し発売しました。
2013年4月に介護事業会社の大手2社と協業して『セコム・マイドクタープラス』を発売。
<セコム>のビジネスモデル2018年11月に<イオン>と災害時に協力する協定を結んだと発表しました。
被災地までの道路情報などを共有し<セコム>が持つヘリコプターで被災地に支援する人や物資を運びます。
大規模な地震や豪雨が発生するなか手を組むことで迅速な対応につなげます。
2018年12月にスタジアムの不審者を発見し追跡する実験を<KDDI>と共同で行ないました。
カメラを搭載したドローンを使うことで警備の精度を高められるとしてスタジアムを運営する自治体や企業の需要を見込んでいます。
2018年12月に食品への意図的な異物混入を防ぐ『食品防御』の取り組み支援を発表しました。
食品メーカーなどを対象にした認証基準を開発し認証取得に向けたコンサルティングや警備機器の販売を<農林中央金庫>と共同で行います。
新たに作った認証基準は食品への意図的な異物混入を防ぐ『食品防御』に必要なセキュリティ対策を定めたもので<SGSジャパン>と開発しました。
食品メーカーや卸業者ラップなどの一次包材のメーカー食器メーカーなどの取得を想定しています。
2019年2月にトルコに進出して合弁会社を設立すると表明しました。
トルコの財閥<チャルックグループ>と合弁で現地法人を設立して防犯センサーやカメラなどのITによる精度の高い警備を売り込みます。
法人向けで認知度を高めながら家庭向けの市場も開拓する考えです。
2019年4月にスマートフォンを使い高齢者の体調を見守るサービスを始めました。
指定の時間に画面操作による安否の反応がなければ家族や入居施設の職員に伝え状況に応じてセコムの警備員が駆けつけます。
2040年には世帯主が75歳以上の世帯が1217万と全体の4分の1を占め一人暮らしは全体で1994万人と全世帯の約40%となり75歳以上の一人暮らしも500万人を超えると<国立社会保障・人口問題研究所>は世帯数の将来推計を発表しています。
2019年6月に自律走行が可能な新型警備ロボットを製品化しサービスの提供を始めました。
あらかじめ設定したエリアで周囲を監視したりゴミ箱の中に危険物がないかなどを調べたりします。
<成田国際空港会社>は成田空港内のターミナルを巡回警備する自律走行型巡回監視ロボットを導入しました。
巡回監視ロボット『セコムロボットX2』はセンサーで障害物を検知し巧みに人波を避けながら進みます。
第1、2ターミナルで計4台が稼働しており外国人にも分かるように日英中韓の4カ国語を話します。
<成田国際空港会社>の担当マネージャー阿部英崇さんは……「ロボットの活用で警備員不足をカバーするため」と述べています。
2020年1月に<ソニー>と『アイボ』を使った自宅のセキュリティーサービスを始めました。
<ソニー>の犬型ロボット『アイボ』と<セコム>のシステムが連携して自宅のセキュリティーサービスを始めました。
家電の消し忘れが気になったときはスマホアプリで確認してほしい場所を指定すると『アイボ』が確認に行きます。
家族の帰宅時は敬礼をしながら出迎え「セコムしてますか」と声をかけた場合敬礼のポーズをします。
家族が出かけるときは『アイボ』が挨拶の遠ぼえをします。
利用者は<セコム>のホームセキュリティーサービスを契約する必要があります。
2020年3月にドローンで広域を警備する実証実験を福島県で実施したと発表しました。
複数のドローンと運航管理システムを4Gで通信して遠隔で制御し上空から広域警備するほか地震などの災害を想定しドローンで沿岸部の状況を確認しました。
ドローン用ソフトを開発する<テラドローン>と<KDDI>と協力して実証試験を行い高齢化で警備業界の人手不足が進むなかドローンによる効率的な監視サービスの実用化を目指します。
2020年3月に東京五輪・パラリンピック延期を受けて仕切り直しを余儀なくされました。
五輪の競技場や周辺警備に約1万4千人が必要とされますが新型コロナウイルスによる影響で東京五輪・パラリンピックが延期され警備関係者は「延期により外注をやり直す必要がある」と述べています。
警備人員の確保のため非警備部門の社員に研修を受けさせて大会警備に当たらせる予定でしたが東京五輪・パラリンピック延期後も同様の措置をとるため新たに人員を確保し直す必要はないようです。
<セコム>は全国で事業を展開していて社員も1万7000人います。
異常が検知された時に信号が集まる管制センターは各都道府県に1つずつあります。
この密閉空間で感染者が出た際は隣県のセンターでも信号を取れるバックアップ体制を敷いています。
<厚生労働省>の窓口の状況次第で協力できるように新型コロナに対する電話相談窓口への問い合わせ対応はグループのコールセンター会社で準備をしています。
<セコム>の創業は1962年でその2年後に『東京五輪』の選手村の警備を依頼されました。
それまで民間警備がなかったため警備業として非常に大きな出来事でした。
まさに<セコム>の成長の礎を作ってくれたイベントが東京五輪でした。
<セコム>の尾関一郎社長は……「恩返しする気持ちで五輪警備にあたりたいと皆思っています」と述べています。
一方で人出不足のため「今後契約が増えても今の体制でできるよう見直さないと」と述べています。
海外においてはアジアを中心に13か国・地域に進出していますが順調なのは台湾と韓国だけです。
AIやIoTなど最新技術を駆使して人手不足を補うためには異業種の知恵を取り込むオープンイノベーションの発想が必要です。
海外における警備業を軌道に乗せるためには地場企業と手を結び地域の事情に応じた警備システムや警備サービスの開発が不可欠です。
自前主義のビジネスモデルからの脱却が市場から求められています。
今日の事例で何を学べるでしょうか?
従来のビジネスモデルが通用しなくなった会社は新たな技術の創出が求められる。
自社単独の自前主義から脱却し他業種の企業との連携や地域の地場企業との協業が必要不可欠になる。


