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ブログ / ビジネスモデルの企業事例

第245話 阪急阪神HDのビジネスモデル

2018年3月16日 執筆:渡邉ひとし

第245話のテーマは『統合した2社の効果を出す』です。

(ブログ=月水金の平日投稿です)

小林一三氏が作ったビジネスモデル

<阪急電鉄>の創業者であり商工大臣なども務めた小林一三氏。

<阪急百貨店>や<宝塚歌劇団>などの数多くの事業を設立していますがやはり経営者としての手腕にとても魅力を感じています。

鉄道事業だけに取り組むことをせずその鉄道の沿線の開発に着手したこと。

鉄道沿線の住民に対して交通、住宅地の不動産、百貨店のほか<宝塚歌劇団>や<東宝>などのエンタテインメント事業に及ぶまで徹底してサービスを提供していく手法はその後に続く私鉄経営のビジネスモデルとなっています。

もちろん人口が増加していく日本だからこそ大きく成功したといえますが人口が減少化しはじめている現在でももう暫くは通用するビジネスモデルでしょう。

<阪急阪神HD>のビジネスモデル

2006年10月に<阪神電鉄>を完全子会社化したことで<阪急ホールディングス>から<阪急阪神ホールディングス>に社名変更。

<阪急阪神ホールディングス>グループは◉阪急電鉄◉阪神電気鉄道◉阪急交通社◉阪急阪神エクスプレス◉阪急阪神ホテルズ◉阪急阪神ホールディングス(持ち株会社)という6社で構成されています。

沿線の住民にとって利用しやすい施設を設置するビジネスモデルは続いていて2016年5月には高齢者向けの有料の会員制サロンを7カ所目の拠点として京都市内に開設。

顧客の希望により買い物に付き添ったり買い物を代行したりするサービスですがこれは高齢者の住民との顧客接点を増やすことで沿線に住み続けてもらうことが狙いです。

2016年8月にアパレル大手<オンワードホールディングス>から東京銀座3丁目の土地を取得しました。

JR秋葉原駅に隣接する商業ビル「アキバ・トリム」に次いで2つ目の首都圏での大型商業ビルを建設する予定です。

2016年9月には東京元麻布の一等地で地下鉄六本木駅近くに第1号となる億ションの販売を始めました。

2017年3月には東京六本木で客室数400室のビジネスホテル「レム六本木」を開設しました。

これは日比谷や秋葉原に次ぐ首都圏3つ目の宿泊特化型ホテルになります。

さらに2019年春ごろに東京京橋で4店舗目のビジネスホテルを開業します。

これは2020年の東京五輪に向けて訪日客の増加を見込んでいますが長期的には将来の鉄道需要の先細りを見据えていて商業ビルやマンションやホテルなどいままでのノウハウを生かして首都圏へと大きく広げていき活路を見い出そうとする戦略です。

2020年までに東京都内にある「第一ホテル東京」など直営6ホテルの改装にも着手しています。

2017年1月にカプセルホテルを運営している<ファーストキャビン>と提携しました。

2017年秋に「ファーストキャビン阪神西梅田」を開業し2025年までに阪神沿線を中心に6カ所でカプセルホテルの開業を目指します。

2017年2月には「リージャスエクスプレス阪急千里中央」など駅ビル3カ所でレンタルオフィスを開業。

レンタルオフィス世界最大手の日本法人である<日本リージャス>と組んで展開しています。

これは企業の働き方改革の推進により育児や介護の都合で自宅近くで働きたい人や企業の出先の拠点としての需要を取り込み駅ビルの稼働率向上につなげる狙いです。

2017年5月に大阪福島に<JR西日本>と組んで新ホテルを開業すると発表しました。

両社が所有する土地を合わせてホテルと食品スーパーが一体となった複合施設を2019年春に開業します。

観光やビジネスの拠点となる梅田に近い立地を生かして集客につなげることが狙いです。

同じく5月に大阪府茨木市の彩都に倉庫2棟を建設すると発表しました。

三菱地所のノウハウで共同開発しますがネット通販市場の成長を踏まえて物流施設の運営で新たな収益を見込みます。

同じく5月に老朽化した老舗の「宝塚ホテル」を「宝塚大劇場」の隣に移転すると発表。

新ホテルは地下1階・地上5階建てで宴会場を減らすことで客室を5割強増やし「宝塚大劇場」との連携を強めます。

同じく5月に2017年3月期の連結純利益が前期比で2%増となり6期連続で最高益を更新したと発表しました。

不動産事業では減収でしたが訪日外国人の増加で鉄道収入が伸びました。

2017年に社長に就任した杉山健博氏は2025年度を最終年度とする長期ビジョンを発表しました。

◉JR新大阪駅と接続する新線の開設◉大阪梅田を人口や新産業の結節点に育てる◉首都圏に不動産事業を広げる◉海外に不動産事業を広げる長期ビジョンで目指す姿を「深める沿線、広げるフィールド」と表現。

これから関西は国際博覧会(万博)や統合型リゾートを誘致して一層の国際化が進む見通しです。

「梅田1丁目1番地計画」という名で2022年春にJR大阪駅南側の阪神百貨店梅田本店と賃貸の新阪急ビルを38階建ての複合ビルに建て替えます。

関西から首都圏や海外にも営業基盤を広げる目的は人口減少です。

関西の人口は2040年に1500万人と2015年と比べて16%減る見通しです。

そして営業利益の90%を梅田とその沿線で稼いでいます。

2017年4月に<阪急電鉄><阪神電気鉄道>の新規事業部門をHDに一元化しました。

2018年4月には<阪急>と<阪神>両社の不動産事業を統合します。

このように<阪急>と<阪神>との統合効果を深めるためにも鉄道事業や不動産事業などの各事業のビジネスモデルの構築が喫緊の課題になっています。

(次回ブログ=19日月曜に投稿します)

このことから何を学べるでしょうか?

企業が統合した場合……2社の企業風土や企業文化が違うため早期に共同作業ができるように仕組みを作らなければ上手くいかない。

手っ取り早いのは2社間で関連する事業同士がひとつになることである。

渡邉ひとし
渡邉 ひとし株式会社未来デザインカンパニー 代表取締役/持続型経営コンサルタント

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